クリアで臭みのないスープドポワソンの作り方



皆様こんにちは、こんばんは。
私の嗜好は基本的には西洋かぶれなので、唐揚げよりもフライドチキン、おにぎりよりもサンドイッチを選びます。
ただ蕎麦とパスタだったら蕎麦を選びます。
特にオチはないです。

さて本日は、
『クリアで臭みのないスープドポワソンの作り方』
をご紹介します。

スープドポワソンは南仏の郷土料理で、いろいろなお魚をじっくり煮込んだ濃厚なスープをバゲットやルイユ(にんにく風味のマヨネーズみたいなソース)と一緒に食べます。

本来は岩礁に住む小魚を大量に使用し、それをそのまま炒めてから煮込んでいくという豪快な調理法で作るのですが、今回はレストランらしくクリアで雑味の少ない味に仕上げていこうと思います。

魚の臭みを出さないポイントも合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

では始めていきましょう。

魚の臭みを出さないポイント

実際にレシピを紹介する前に、今回の調理の最大のポイントをお伝えしておきます。

スープドポワソンに魚の臭みを出さない最大のポイントは、
【魚を水分がなくなるまでしっかり炒める】
これがすべてと言ってもいいでしょう。

多くの料理書などで紹介されている一般的な作り方は、まず鍋で香味野菜を炒め、そこに魚をくわえてさらに炒めてから白ワインなどを注ぎ、煮込んでいく…
という手順が多いのですが、この方法だとどうしても魚に余分な水分を残したまま煮込んでいくことになります。

以前紹介したフォンドヴォライユフォンドヴォーなどの記事で、
【出汁を取る際に臭みや濁りが出るのは、素材の持つ余計な水分が原因だ】
というお話をしました。

素材が液体の中で加熱されることによって細胞が破壊されて水分が液体に流れ出て、そしてその液体と一緒に溶け出したタンパク質が浮遊している油脂などとくっついて灰汁となります。

液中に浮遊している灰汁はある程度は取り除けますが、すべてを綺麗に取り除くことは困難です。
そしてその残った灰汁が濁りや臭みの原因となるわけです。

灰汁をすべて取り除けないのなら、そもそも灰汁を出さない工夫が必要、というわけで素材の水分をしっかり抜く必要がある、という結論に達しました。

なのでこのスープドポワソンも同じような考えのもと作っていきます。

ただ、
『スープドポワソンはその雑味なども含めてが持ち味なんとちゃうんかいな?』

という意見もあると思うのですが、それはそれでもちろん正しいと思います。

なので今回はあくまでも私の中の正しさに基づいて私なりの考えで作っていきますが、それが絶対に正しいというわけではなく、両方を比べたうえで良さげな方法で作っていただければと思います。

スープドポワソンのレシピ

  • 1kg  魚のアラや切れ端
  • 200g お好みの香味野菜
  • 200g 白ワイン
  • 1個   ニンニク
  • 適量   生姜、タイム、ローリエなど
  • 30g~ トマトペースト
  • 0.5g サフラン

※香味野菜は玉葱、人参、セロリなどあるものでOK。
分量の目安は後述。

※白ワインの代わりにドライベルモットを使用しても美味しい。

スープドポワソンの作り方

①まずは魚を用意する。
使うのは骨や頭などのアラでも、余った魚の切れ端でも何でも良い。
今回は冷凍でためておいた魚の切れ端や腹骨などを中心に使用する。

基本的には水にさらしたりする必要はないが、血やぬめりが残っている場合はきれいに洗っておく。

②テフロン加工された鍋やフライパンを用意して魚を炒めていく。
このとき、普通のアルミ鍋やステンレス鍋を使うと、魚の水分が抜け切る前に鍋底に焼き付いてしまうので必ずテフロン加工されたものを使用すること。

なお、炒める際は鍋の大きさに合わせた量を少しずつ炒めていくように注意する。
量が多すぎるとしっかり水分を飛ばすのに時間がかかってしまう。

③はじめは魚の水分がどんどん出てくるので強火で炒め、はじめに出てきた水分が飛んで魚が崩れてきたら火加減を落としてじっくりと炒める。

④水分がしっかり飛んで魚にもうっすらと色づき、炒める音がパチパチと水気のない音になったらOK。
一旦取り出しておいておく。

⑤次に香味野菜を用意する。
今回はネギ類(リーキ、玉葱、エシャロットなど)を100g、人参とセロリを50gを目安に使用する。
また他にもフェンネルやトマトの種、パセリの軸などを入れても良い。

⑥鍋にオリーブオイルと半割にしたニンニクを入れて火にかけ、ニンニクを軽く色づける。

⑦そこに適当にスライスした香味野菜を加えて色づけないようにじっくり炒める。

⑧香味野菜の水分が飛んでネギ類に甘みが出てきたら、先ほど炒めた魚、タイム、生姜のスライス、ローリエなどを加える。

⑨白ワインを注ぎ、強火で水分がなくなるまで全体を混ぜながら煮詰める。

⑩白ワインが完全に煮詰まったら全体が浸るぐらいの水を入れる。(目安は1~1.5リットルほど)
もしあればブイヨンかフュメドポワソンを加えるとなお良いが水でも充分旨味は出る。

⑪強火で一旦沸かして、はじめに浮いてきた灰汁だけ取り除く。
魚の水分をほとんど飛ばしてあるため、これ以降はほぼ灰汁をとる必要はない。

⑫灰汁をとったらサフランを加え、弱火で1時間ほど煮出す。

⑬約1時間後。しっかり旨味が出ていることを確認してから濾していく。

⑭はじめは粗めのザルなどでしっかり魚を押しつぶして絞るように濾し、その後シノワ(目の細かいザル)でもう一度濾す。
もしスープ自体をどろっと濃度のある状態にしたければ液体ごとすべてミキサーにかけてからシノワで濾しても良い。

⑮最後にトマトペーストを加えてお好みの濃度まで煮詰め、塩で味を調えたら完成。
すぐに使わない場合は急冷して冷蔵庫で保存し、3日以内を目安に使い切る。

ルイユとバゲットを添えて。
ルイユの作り方は後述。

ルイユのレシピ

  • 1個分  卵黄
  • 5g   マスタード
  • 10g  白ワインビネガー
  • 140g サラダ油
  • 40g  EXVオリーブオイル
  • 適量   パプリカパウダー
  • 適量   カイエンヌペッパー
  • 適量   ニンニク

※卵黄1個分は約20gとする。

※油の量は卵黄の重量によって必要量が多少増減するためあくまでも目安。

※パプリカパウダーは香り付けで入れているが辛いのが好きな場合はカイエンヌペッパーだけで作っても良い。

ルイユの作り方

①基本的にはマヨネーズと同じ手順で作っていく。
ボウルにオイル類以外の材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
ニンニクは入れすぎに注意。

②サラダ油とオリーブオイルをホイッパーで混ぜながら少しずつ加えていく。
決して分離させないように注意すること。

③しっかり乳化して固いマヨネーズ状になったら完成。

スープドポワソンをルイユと混ぜて提供する

①粗熱が取れた状態のスープドポワソンを小鍋にとり、ルイユを加えてハンドブレンダーで攪拌する。
ハンドブレンダーがない場合はホイッパーで素早く混ぜると良い。

②常に混ぜながら火にかけ、沸騰する手前まで温める。
この時急激に沸騰させてボコボコ沸かしてしまうとルイユが分離してしまう恐れがあるので注意する。

③温まったら完成。
バゲットやフィーヌゼルブ(刻んだミックスハーブ)と合わせるとより美味しい。
お魚料理のソースとして使うのもおすすめ。

おわりに

今日も激烈に長くなりましたが最後までご覧いただきありがとうございます。

今回のポイントを一言でまとめると、
『テフロンパンを使って、水分がなくなるまで徹底的に魚を炒める!』
これがすべてです。
あと魚やアラはなるべく新鮮なものを使ってくださいね。
冷凍ものを使う場合は新鮮なうちに冷凍したものを使いましょう。
ちなみに魚だけではなくイカや貝、エビなどいろいろ余った魚介を入れていただいても大丈夫です。

いままでスープドポワソンを作っても臭みが出てしまったり、いまいち味がのらなかったという方は、ぜひ一度今回の方法をお試しください。

それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
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