真蛸の美味しい火入れ方法

皆様こんにちは、こんばんは。
ここに毎回何か適当な一言を書いているのですが、いい加減書くことが無くなってきて、記事よりもここに時間がかかってしまうのをそろそろやめたいですね。

さて本日は、
『真蛸の美味しい火入れ方法』
について解説していきます。

真蛸というものは非常に火入れが難しく、火入れが浅ければ弾力がありすぎて噛み切れないし、高温で火を入れすぎても固くなってしまいます。
私自身、長年ベストの火入れが見つからず悩んでいたのですが、ようやくちゃんと美味しいと思える火入れを見つけることができたので共有させていただきます。

真蛸は牛の赤身などと同じように、筋肉質で水分が多いので高温加熱するとタンパク質が凝固してすぐに固くなってしまいます。
なので温度管理が非常に大事になるので、スチームコンベクションオーブンかウォーターバスの使用を強くおすすめします。
温度計で計りながらでもできなくはないと思いますが、常に鍋に張り付いていないとできないうえに、かなり難易度も高いと思うのでおすすめしません。
スチームコンベクションオーブンかウォーターバスをお持ちの方は、非常に簡単なのでぜひお試しください。

では始めていきましょう。

真蛸の煮汁

  • 100g 生ハム出汁
  • 15g  本みりん
  • 15g  白醤油
  • 4g   スモークパプリカパウダー

※生ハム出汁は以下のレシピを使用。↓

フレンチ風の万能出汁『生ハムのコンソメ』のレシピ

02/07/2017

作り方

①まず生の蛸を用意し、表面を軽く水洗いする。
今回頭は使用しないが、もし使用する場合は足と同じ下処理で問題ない。

②全体にたっぷりの塩をまぶして表面のぬめりを取る。
1回目は揉みこんですぐに流し、その後もう一度塩をまぶして次はしっかり時間をかけて揉みこむようにぬめりを取る。

③ぬめりが取れたら水でよくすすいで、使いやすいように足をカットする。
今回は2本ずつ切り分けてある。

④鍋にお湯を沸かし、さっと湯通しする。
時間は10秒ほどで表面の色が少し変わればすぐに氷水に引き上げる。
また、和食ではこの時、発色と臭み取りのために茶ぶりをしたりするが、今回はパプリカパウダーで色と香りをつけるので特にする必要はない。

⑤氷水の中でぬめりが残っていないか念のため表面を洗って引き上げる。

⑥水を切って一旦冷凍にかける。
冷凍することで蛸の身に含まれる水分が膨張し、それが筋繊維を傷つけてより柔らかく仕上げることができる。

⑦一晩冷凍しておいた蛸を解凍し、煮汁の材料と合わせて真空する。

⑧60℃のウォーターバスで90分火入れする。
蛸の大きさや個体差で多少所要時間が前後する可能性があるので、個体に合わせて時間は調節する。
また、頭を使用する場合は足と分けて真空し、15分ほどを目安に火入れする。

⑨火入れができたら急冷して1日冷蔵庫で寝かせる。
すぐに使うこともできるが、寝かせた方が味が馴染んで美味しい。

⑩完成。用途に合わせてカットして使用する。
下味が付いているのでそのままでも美味しく食べることができる。

おわりに

今日は蛸の火入れ方法について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
蛸は本当にちょっとした火入れの違いで状態が変わるので、どれが正解かを決めるのは難しいのですが、個人的には今回の方法が今までで一番気に入って使っているので、少しでも参考になれば幸いです。

ちなみにですが、ただひたすらに柔らかく仕上げたい場合は、しっかり温度を上げて長時間加熱した方がいいですね。
トマト煮込みなどのようにソースと一体化させるような仕立ては、今回の火入れ方法だとどうしても味が馴染まずにちぐはぐになってしまうので、その時は素直に煮込む方が美味しいと思います。
そのあたりは仕上げたい料理に合わせて使い分けてください。

また、他にも色々な食材の火入れ方法についての解説をしています。
ご興味がありましたらぜひそちらもご覧ください。↓

【プロ向け】皮が厚めで固いお魚を美味しく焼く方法

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