皆様こんにちは、こんばんは。
Bluetoothと電子レンジの相性が悪いことに気づいたのが今年一番の学びです。
さて本日は、
『誰でも作れる美味しいラタトゥイユの作り方』
をご紹介します。
ラタトゥイユはフランス・ニースの郷土料理で一般的には茄子やズッキーニなどの夏野菜をトマトで煮込んだもの、と説明されることが多いですね。
そう聞くと非常にシンプルで簡単な料理に聞こえるかもしれませんが、
実際作ってみると野菜の水分によって水っぽくなってしまったり、
旨味がたりなくちょっとボケた味に仕上がったりしてしまいがちです。
なので今回のレシピはその辺りの失敗をしないように材料をごった煮にするのではなく、
『美味しく作ったトマトソースと美味しく炒めた野菜を混ぜて寝かせる』
という方法で作ります。
では早速始めていきましょう。
目次
今回のラタトゥイユ
ラタトゥイユは使う食材も作り方も本当に色々なパターンがあり、どれが一般的かというのは説明しづらいのですが、
私の認識では鍋に火の通りにくい野菜から順番に炒めてからトマトや香草、ワインなどを加えて煮る…
というのが一般的かなと思っております。
実際に私が過去に働いていたお店でもこのように作るケースが多かったように感じました。
もちろんこの方法でも美味しく作れるのですが、この場合だと
『全ての野菜を一番いい火入れのタイミングで仕上げることができない』
『水分の煮詰め加減が分かりづらい』
という問題がでてきます。
これらを解決するにはやはりそれなりの経験値が必要です。
なので今回はトマトソースと野菜をそれぞれ別に調理して、野菜の火入れと水分のコントロールがしやすいようにし、
さらにそれらを合わせて寝かせることによって味わいの一体感も生むことができるというレシピを作りました。
ひとつひとつの工程に意味があり、焦ることなく確認しながら作っていけますので、初めての方もぜひこの方法でチャレンジしてみてください。
ラタトゥイユのレシピ
- 2個 トマト
- 2片 ニンニク
- 30g オリーブオイル
- 20g トマトペースト(6倍濃縮)
- 適量 タイム
- 150g 玉葱
- 120g パプリカ
- 40g キュウリ
- 20g セロリ
- 100g ズッキーニ
- 100g 茄子
- 適量 塩、グラニュー糖
- 5g 白ワインビネガー
※トマトは1個約150gの完熟のものを使用。
※野菜の量はあくまでも目安なので多少増減しても良いが、増やしすぎるとトマトソースとのバランスが狂うので注意する。
トマトソースの作り方
①まずはトマトソースから仕込んでいく。
トマトの皮を湯剥きしてヘタを取り、横半分に切って種を取る。
今回、種は食感が邪魔になるので取り除いているが面倒ならばそのまま使ってもかまわない。
なお、より丁寧に作るならば取り除いた種を裏漉しして周りのジュース分だけを使用しても良い。
②トマトを適当な大きさにカットする。
このあと崩してソースにするのでサイズはそれほど気にしなくて良い。
③ニンニクを半分に割り、新芽を取り除いて薄くスライスする。
スライスしたニンニクとオリーブオイル15gを鍋に入れて火にかけ、弱火で香りを引き出す。
④ニンニクがうっすら色づいたらトマトとタイムを3~4本加えて炒める。
塩は後で加えるのでこの時点では加えない。
⑤軽く崩しながらトマトを炒め、煮崩れて少し濃度のあるピュレ状になったら一旦火を止める。
⑥トマトは一旦そのまま置いておき、次に玉葱を1cmほどの角切りにする。
⑦玉葱をオリーブオイル(15g)で炒める。
塩ひとつまみを加えて中火ぐらいで軽く色づけながら炒めると良い。
①塩はこのあとトマトソースを仕上げる段階で調節するのでこの時は本当に下味程度で。
②あまり動かさずに炒めて軽く色づけるとソースの香りが良くなる。
⑧玉葱を食べてみて辛みがなくそのままでも美味しいぐらいになったらOK。
先ほどのトマトソースの鍋にそのまま加える。
⑨さらにトマトペーストも加えて弱火でソースを煮詰める。
煮詰め具合は↓の写真のように木べらでソースを一方に寄せたときに水分が流れてこないぐらいが目安。
いい具合になったら火を止める。
⑩最後にトマトソースの味を調える。
トマトソースの分量を量り、1.5%の塩と2%のグラニュー糖を加える。
味見してみてちょっと濃いかなぐらいの塩味をつけておくと後でちょうどいいぐらいになる。
好みによって増減させても良い。
⑪トマトソースが冷めたときの写真。↓
しっかり濃度があり水分も油分も浮いていなくツヤがある状態ならOK。
この時水分が浮いていたら煮詰め不足。
ソースにツヤが無く乾いていたら煮詰めすぎ。
しっかり見極めましょう。
ラタトゥイユの仕上げ
①出来上がったトマトソースは鍋に入れたまま置いておき、次に野菜を種類ごとに炒めていく。
まずパプリカ120g(約1個分)を1cm角にカットしてオリーブオイル(分量外)で炒める。
①火加減は強めで、ずっと混ぜ続けたりせずにうっすら焼き色を付けるぐらいのイメージで。
②炒めはじめに塩で味付けする。目安は0.7%ほど。
③炒め終わりの目安は食べてみてピーマン臭さを感じずにそのままでも美味しいと思えたらOK。
②炒め終わったらそのままトマトソースの鍋に入れる。
この時フライパンの炒め油が多く残っていたらペーパーでふき取るかザルで切ってから加えると良い。
③次はキュウリとセロリをまとめて炒める。
まずキュウリ40g(約1/2本分)を縦6等分にカットしてから種を取り、厚さ3mmぐらいにスライスする。
そしてセロリはそのキュウリよりも一回り小さいぐらいにカットする。
これら2つはあまりしっかり炒めずに食感と青い香りを残すのがポイントなので、少量のオリーブオイル(分量外)をひいたフライパンで20~30秒ほど強火でさっと香りを引き出すように炒めるだけでOK。
①炒めはじめに塩で味付けする。この野菜は少し薄めの塩加減にしておく。(目安は0.3~0.5%ぐらい)
②この2種類は食感、香りのアクセントになるように炒めすぎない。強火でさっとでOK。
③先程のパプリカは焼き色を付けるように頻繁に混ぜずに炒めたが、今回は強火で焦げないようによく混ぜながら炒める。
⑤先程同様炒め終わったらトマトソースの鍋に加える。
⑥次にズッキーニ100g(約1本分)は7~8mmぐらいの角切りにして炒める。
①火加減は強火。気持ち多めのオリーブオイル(分量外)で揚げ焼きのようにして軽く焼き色をつける。
②塩は0.7%を目安に振る。
③パプリカと同様にそのまま食べても美味しいぐらいの炒め加減になればOK。
⑦ザルで余分な油を切り、トマトソースの鍋に加える。
この油を切る作業は必ずすること。
ズッキーニはあまり油を吸わないのでそのまま炒め油ごと入れてしまうとギトギトのラタトゥイユになってしまう。
⑧最後に茄子100g(約2本分)はズッキーニよりも気持ち大きめの角切りにする。
大きめのカットにする理由は茄子は加熱するとズッキーニよりもかなり縮んでしまうため。
①火加減は強火。多めのオリーブオイル(分量外)を熱してから茄子を入れ、揚げ焼きのようにしてしっかり焼き色をつける。
②塩は0.7%を目安に振る。
③これまでの野菜と同様にそのまま食べて美味しい状態まで炒めたらOK。
⑨ザルでしっかり余分な油を切ってからトマトソースの鍋に加える。
ズッキーニの時と同様に必ずこの油を切る工程は行うこと。
⑩すべての野菜を加えたら一旦全体をよく混ぜる。
⑩混ぜたら火にかけて、軽く混ぜながら強火で全体を温める。
湯気がたちソースの一部分がポコポコっと軽く沸くぐらいでOK、火を止めて味を決める。
⑪基本的にはトマトソースの味をしっかり決めていて、それぞれの野菜も炒める段階でちゃんと美味しいぐらいの塩分量を加えているので、ほぼ調節はいらないが必要であれば塩を加えて味を調える。
①今回のラタトゥイユは砂糖を加えた甘めのラタトゥイユなので塩味はしっかりめに決めた方が美味しい。
②温かい状態で味見した時にジャストよりもほんの少しだけ濃いめの塩味にしておくと冷やしたときに丁度良くなる。
③もしコクが足りないと感じたらグラニュー糖をもうひとつまみ加えるかトマトペーストをほんの少し足すと良い。
⑫最後に白ワインビネガーを加えて良く混ぜる。
ビネガーの酸味が甘いラタトゥイユの味をキリッと引き締めてくれる。
⑬氷を当てたバットなどに広げて急冷する。
しっかり冷えたらタッパーなどに移して冷蔵庫で半日から一晩寝かせる。
⑭完成。ウマー。
↓の写真は一晩寝かせたもの。
表面に水分、油分が浮いていなく、全体にとろっとソースが絡んでツヤがある状態が成功。
今回のポイントをおさらい
野菜はそのままでも美味しく食べられるように炒めよう
さて長々と解説させていただいたわけですが、今回の調理の最大のポイントは
『美味しく作ったトマトソースに、そのまま食べても美味しいように炒めた野菜を合わせる』
これに尽きます。
炒める野菜の塩分量のパーセンテージはあくまでも目安なので慣れている方は適当でいいのですが、炒め終わったらちゃんと一旦味見をして美味しい炒め物になっているかどうかを確認しましょう。
それぞれの野菜がちゃんと美味しい状態になっていないと仕上がりの味がボケてしまう原因になります。
しつこく『野菜の炒め終わりは美味しかったらOK』と書いたのはここが本当にこのラタトゥイユの一番のポイントだからです。
しっかり意識して炒めましょう。
炒める野菜に振る塩はある程度感覚でOK
上記の通り、炒める野菜の塩は実際に食べてみて美味しいと感じたらそれでOKです。
なので細かくパーセンテージを書いているのはあくまでも目安で、
『そんな細かく量れる計量器ねえぞオラァ!』
という方は食べて判断すれば全く問題ありません。
もし細かく量れる環境がある方はしっかり量ってもらった方が確実にブレなく作ることができます。
今回のように少量であれば問題ないですが大量調理の際はやはりブレやすくなるので、その時はなるべく量って作りましょう。
トマトソースの水分量に気をつけよう
先ほども書いた通り、完成したトマトソースを一旦冷ました段階で、
水分が浮いていたら煮詰め不足。
ソースにツヤが無く乾いていたら煮詰めすぎ。
です。
しっかり見極めましょう。
煮込まずに寝かせる
今回のレシピでは煮込まずに最後に全体を温めて味を馴染ませるだけです。
前段階でソースの水分量をしっかり決めて野菜を美味しく炒めていれば判断力の問われる『煮込む』という工程は必要ありません。
なので焦らずひとつひとつの工程を確認しながら作っていきましょう。
味付けは気持ちしっかりめに
このレシピはグラニュー糖を加えた少し甘めの味に仕上げるため、少し塩をしっかりめに加えます。
出来てすぐは塩味とグラニュー糖の甘みがそれぞれ感じて刺々しく感じるかもしれませんが寝かせることによって塩味と甘味が程よく熟れて濃厚な味わいになります。
また冷やすと塩味は感じにくくなるのでそういった意味でもしっかりめにしていますね。
かといって
『しっかりめやな!めっちゃ入れたろ!ドバー』
ってのはNGです。
気をつけましょう。
野菜のカットについて
今回野菜は小さくカットしましたがこれはお好みの大きさにアレンジしていただいても構いません。
ただカットが小さい方がスプーンで口に含んだ時に全ての種類の野菜が口に入るので非常にバランスが良く感じられると思います。
それに必然的に野菜の炒め時間も短くなり、フレッシュな香りも残りやすいので私は断然小さくカットする派です。
おわりに
クッソ長々とすみません。疲れました。
誰でも美味しく作れるように事細かに解説したつもりですが逆にわかりづらかったらすみません。
わからない点などはTwitterとかで聞いていただければできる限りお答えしますので…
ラタトゥイユを美味しく作れない!と悩んでいる方はぜひ一度この方法で作ってみてください。
あ、あとよく
『キュウリ入れるの?』
って突っ込まれることがあるのですがキュウリの入ったラタトゥイユの美味さは異常なのでよっぽどのキュウリ嫌いでなければ入れてみてください。
爽やかな青味と食感がやみつきになります。
それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
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