Anovaでブイヨンを作る【フォン・ブラン・ド・ヴォライユ】



皆様こんにちは、こんばんは。
今日の晩御飯は、
●中華スープ
●大根おろし
●パン
フレンチシェフの鑑のような食事ですね。

さて本日は、
Anova(ウォーターバス)
でブイヨンを抽出します。

ブイヨンは基本的には鍋を火にかけてコトコトと
火加減と液量を見ながら作るのが普通ですが、やはり面倒なものです。

しかしそんなブイヨンもAnovaを使えば簡単に、
さらに洗い物を出さずに仕込むことができます。

では早速始めていきましょう。

目次

Anovaで作るブイヨンのレシピ

  • 1リットル    水
  • 300g     鶏むね肉
  • 60g      玉葱
  • 30g      人参
  • 30g      セロリ
  • 適量       お好みのハーブ

※鶏むね肉は皮と脂を外して300g

※ハーブはタイム、ローリエ、パセリの茎などなんでも。

ブイヨンの抽出方法を考える

ブイヨンというものは本来、水と素材を鍋に入れて
ミジョテ(沸騰する直前を保つこと)で抽出するものですが、
今回はAnovaを使い、調理工程を科学的に考え、
簡易的かつ美味しいブイヨンを抽出することを目指します。

どういった味のブイヨンにするか

基本的にブイヨン(フォン・ブラン・ド・ヴォライユ)は、
鶏ガラやひね鶏、牛筋などから作りますが、
今回は作るブイヨンは、
●しっかりした旨味
●雑味が無い
●短時間で仕込める
この3つの条件を満たしたものを作りたいので、
お肉は鶏むね肉を用意しました。

鶏ガラやひね鶏からはゼラチン質を抽出することができますが、
その分しっかりと下処理をしないとアクや臭みもでますし何より抽出に時間がかかります。

そして出汁はガラでとるのが当たり前と思われがちですが、
旨味成分(アミノ酸)の含有量はやはりガラよりもお肉の方が多いです。
なのでお肉から抽出する方が旨味の強いブイヨンがつくれます。

香味野菜やハーブはお好みのもので構いませんが、
繊細な香りを活かすために量は控えめで。

ブイヨンを抽出する最適温度

次にブイヨンを何度で抽出するかですが、
肉の繊維から完全に水分を離水させるには最低でも88℃の温度が必要になります。

ではその88℃から沸騰する100℃までの間で適温はどこなのか?

少し調べてみました。

これに関しては広島大学が論文を発表しており、
●80℃
●95℃
●98℃
の3つの温度で抽出したブイヨンのアミノ酸の量を調べたところ、
一番多かったのは95℃でした。
高温になりすぎてもうまくアミノ酸を抽出することはできないようです。
それに加えて高温で抽出したものからは苦み、酸味を感じたとも書いてあります。

広島大学の出汁に関する論文はこちら(´・ω・`)

上記の理由から88℃~95℃の温度帯で加熱するのがよさげだと考えました。

あとは調理器具の点から考えると、
Anovaは95℃でも問題なく加熱することができますが
世に一般的に出回っている耐熱の真空パックは大体90℃ぐらいを
耐熱温度として書いているものが多かったので、
今回は90℃で加熱してみることにしました。


Anovaでのブイヨンの作り方

①鶏むね肉の皮と脂肪を取り除き、もし血がついていればよく洗っておく。
そして短時間で出汁を抽出するためにぶつ切りにしておく。
香味野菜も同じようにカットする。

②すべての食材と90℃に温めた水を耐熱パックに入れ、
90℃に設定したAnovaで加熱する。

③1時間たったら引き上げる。
タンパク質が凝固し、細かく散って浮いているが
ブイヨン自体は透き通っている。

④キッチンペーパーを敷いたザルで濾す。
仕上がりは約1L、当然だが液体の蒸発がないので
仕上がり量、味がぶれない。

色は極めて薄いが旨味はしっかりあり、日本の出汁のような繊細な味。
ちなみに出がらしの味を見てみたが、
完全にスカスカで不味すぎたので捨てました。合掌。

終わりに

いかがでしたか?
簡単に火を使わずに仕込めるのでご家庭でも作りやすいと思います。
味のブレがないのも助かりますね。

鶏ガラなどと違って下処理も必要ないので、
Anovaなどのウォーターバスをお持ちの方は是非お試しください。

今回はフォン・ブラン・ド・ヴォライユ(白い鶏の出汁)でしたが、
褐色の出汁もブログで紹介していますのでそちらも是非ご覧ください。

コンソメ・ド・ヴォライユ(鶏のコンソメ)の作り方

28/10/2017

【前編】プロの為のフォン・ド・ヴォライユ講座

26/08/2017

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