皆様こんにちは。こんばんは。
本日はどちらかというとちょっとプロ向けのレシピとなりますが、
『コンソメ・ド・ヴォライユ(鶏のコンソメ)』
をご紹介します。
以前フォン・ド・ヴォライユについて詳しく解説させていただきましたが、今回はそのフォン・ド・ヴォライユよりもさらにひと手間加えて、美しい黄金色のコンソメスープを作っていきます。
フォン・ド・ヴォライユの記事をまだご覧になっていない方はこちらからどうぞ。↓
コンソメは直訳すると『完璧な』という意味になります。
卵白等を使って澄ませたスープのことですね。
このコンソメを飲むとその料理人の腕がわかる、といわれているほど洗練された技術が必要とされています。
クッソめんどうではありますが、よっぽど気が向いたらご家庭でもできますので、ぜひお試しください。
では早速始めていきましょう。
目次
ベースのフォン・ド・ヴォライユのレシピ
- 1kg 鶏ガラ、鶏肉
- 300g 玉葱
- 150g 人参
- 150g セロリ
- 1/2個 にんにく
- 適量 ブーケガルニ、粒黒胡椒
※今回は鶏ガラの他にもも肉や手羽なども使用。
ガラだけでなく肉も使用した方がより旨味が出る。
ベースのフォン・ド・ヴォライユの作り方
①今回のフォン・ド・ヴォライユは鶏ガラは焼かずに香味野菜だけを焼いて、少しあっさりめのフォンに仕立てる。
なのでまずは香味野菜をオーブンでローストしておく。
詳しい香味野菜のロースト方法はフォン・ド・ヴォライユの記事参照。↓
②寸胴に鶏ガラ、鶏肉が浸るぐらいの量のお湯を沸かす。
③お湯が沸いたら鶏ガラ、鶏肉を入れて再度沸騰させてそのまま2~3分下茹でする。
④お湯を全て捨てて、鶏ガラと鶏肉の表面に付いた灰汁を流水でしっかり洗う。
この時、血や余計な脂が残っていたら一緒に洗い流しておく。
⑤寸胴も一度綺麗に洗い、次は煮出す用のお湯を沸かす。(目安は4リットルほど)
沸いたら綺麗に洗った鶏ガラと鶏肉を加えて再度沸騰させ、灰汁を取り除いておく。
⑥あとは弱火で計4時間程ゆっくり抽出していく。
途中でローストした香味野菜やブーケガルニ、粒黒胡椒、その他お好きなハーブなどを加える。
今回はマッシュルームとポロネギを使用。
⑦↓約4時間煮出した状態。
しっかり旨味が出たらシノワ(目の細かいザル)で濾す。
⑧完成。仕上がりの目安は約3リットルほど。
一度しっかり冷やして上に固まった余分な脂を取り除いておく。
もしすぐにコンソメを仕上げたい場合はこの脂を取り除く作業をコンソメを仕上げたあとにまとめてやってしまっても良い。
コンソメ・ド・ヴォライユのレシピ
- 3ℓ フォン・ド・ヴォライユ
- 800g 鶏ミンチ
- 160g 卵白
- 60g ポロネギ
- 30g 人参
- 30g セロリ
- 適量 タイム、セロリの葉など
※香味野菜の量や種類はあくまでも目安なので他のものを使用しても構わない。
※ミンチを鶏ではなく牛で作るとビーフコンソメにすることもできる。
コンソメ・ド・ヴォライユの作り方
①鶏ミンチを鍋に入れ、塩1つまみを加えて粘り気が出るまでよく捏ねる。
②ミンチに粘りが出たら薄くスライスした香味野菜、ハーブ類と卵白を加えてしっかりと混ぜ合わせる。
③そこにフォン・ド・ヴォライユを少しずつ混ぜ合わせていく。
液体の中に均一にミンチが散るように意識する。
④フォン・ド・ヴォライユを全て加えたら火にかける。
⑤はじめは木べらなどで全体を混ぜながら強火で60℃ぐらいまで温める。
60℃ぐらいになると少しずつミンチが凝固してくるので、そうなってきたら火を弱めて全体を混ぜるのをやめ、底だけ焦げないように優しく混ぜてやる。
⑥↓ミンチが凝固して浮いてきた状態。
弱火に落として、時々鍋底が焦げてないか慎重に木べらでこそいであげて、あとは触らずに放置する。
この時全体を混ぜてしまうと卵白やミンチが液中に散ってしまい、濁りの原因となるので注意。
⑦↓上に浮いてきたミンチがしっかりと固まって蓋のようになったら、レードルやスプーンなどで中心部分に穴を空ける。
ミンチに穴をあける理由は対流を起こしても蓋が崩れない様にするため。
⑦そのまま軽く対流が起きるぐらいの火加減を保ちながら1時間ほど煮出す。
⑧充分旨味が出たら真ん中に空けた穴からコンソメをすくい、キッチンペーパーかさらし布で濾す。
⑨最後の方はレードルではすくいにくいので、ミンチの蓋を取り除いてから濾すか網やヘラなどで押さえながら流すと良い。
その際、強く絞るようにミンチを押さえてしまうと濁った液体が出る恐れがあるのであくまでも優しく。
⑨完成。いい色だあ…(恍惚)
急冷して冷蔵で3日以内を目安に使い切る。
すぐに使わない場合は真空冷凍で約2か月ほど保存可能。
使用前に上に浮いて固まった脂を取り除くのを忘れずに。
コンソメを作る際の注意点まとめ
●新鮮なミンチを使い、必ずよく捏ねること。
ミンチの粘りが弱いと蓋を作るときに脆くなり崩れる可能性があります。
●ミンチが浮いてきて、蓋がしっかりと固まるまでは触らない事。
早いうちから真ん中に穴を空けようと執拗に触っていたら蓋が崩れてしまいます。
ぐっと堪えてしっかりとした蓋をつくりましょう。
●蓋ができて真ん中に穴を空けた後は必ず軽く沸いた状態を保つこと。
沸かしすぎては駄目ですが、蓋の下で液体が対流していないと綺麗に灰汁が取れません。
●冷やした後、固まった脂を取り除くのを忘れない様に。
とくにジュレにして使う場合などは脂が浮いていると味の面でも見た目の面でも台無しになってしまいます。
終わりに
今回は香味野菜にだけ焼き色を付けたフォンを使いましたが、もっとクリアなコンソメが良ければフォン・ブラン・ド・ヴォライユを使用すると軽く黄色がかった鮮やかな色のコンソメを引くこともできます。
料理の用途によって使い分けてもらえればと思います。
またミンチの肉の種類を変えたり、フォンを変えるだけで様々な種類のコンソメが引けるようになるので是非挑戦してみてください。
ミンチに使う肉は脂肪分の少ないものを選んでくださいね。
他にも違う種類のコンソメのレシピも紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。↓
それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
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