コンソメ・ド・オマール(オマール海老のコンソメ)のレシピ



皆様こんにちは。こんばんは。
おでんの出汁にタピオカサイズのがんもどきを入れて、それをちくわで吸う料理を考えたのですが誰か試しに売ってみてくれませんか?

さて今回は、
『コンソメ・ド・オマールの作り方』
をご紹介します。

前回コンソメ・ド・オマールのベースとなるフォン・ド・オマールの作り方を紹介しましたが、今回はそのフォン・ド・オマールを澄ませてコンソメに仕立てる、『クラリフィエ』という作業をしていきます。

フォン・ド・オマールのレシピはこちらから。↓

プロの為のフォン・ド・オマール講座

17/05/2018

クラリフィエは以前、鶏のコンソメのレシピの時に一度ご紹介しましたが、今回は少し違ったやり方をしていきます。
今回のやり方は少量のスープ(3ℓぐらいまで)をスピーディに澄ませることができるのでぜひ覚えていただければと思います。

それでは始めていきましょう。

目次

クラリフィエの手順の動画

YouTubeにクラリフィエの手順の動画をアップしています。
こちらを見ていただくとより理解が深まると思います。

コンソメ・ド・オマールのレシピ

  • 3kg  フォン・ド・オマール
  • 200g 卵白
  • 150g クラッシュアイス
  • 40g  玉葱
  • 20g  人参
  • 20g  セロリ
  • 適量   タイム
  • 適量   粒黒胡椒
  • 適量   カレー粉

※香味野菜の種類や量は目安なので適当でOK。

※カレー粉は無くてもOK。

コンソメ・ド・オマールの作り方

①フォン・ド・オマールを鍋に入れて火にかけ、一度沸かす。
もしこの時灰汁が出るようならば取り除いておく。

②フォン・ド・オマールを温めている間にクラリフィカシオンを用意する。
卵白をボウルに入れてコシを切っておく。
この時、レシピ本などによっては卵白を泡立てておいた方がいいと記載されている場合もあるが、特に泡立てる必要はない。
コシが切れたら適当にスライスした香味野菜を混ぜ合わせておく。

クラリフィカシオンとは?
スープを澄ませるための素材の事。
今回は卵白を使用するが、ミンチだけで行ったりする場合もある。

③卵白の臭み消しにカレー粉をほんの少し加える。
その後クラリフィカシオンは使うまで冷蔵庫でしっかりと冷やしておく。

④クラリフィエを行う直前にクラリフィカシオンにクラッシュアイスを加える。
クラッシュアイスを使用する理由は後述。

⑤温めたフォン・ド・オマールの火を止め、ホイッパーで混ぜながらクラリフィカシオンを一気に注ぐ。

⑥フォン・ド・オマールの熱で卵白が凝固し始めるので、そうしたらホイッパーで混ぜるのを止めて弱火で加熱する。

⑦鍋底に卵白がこびりつかないように木べらなどで底の結着を外し、あとは卵白が完全に凝固して上に浮かんでくるまで待つ。

⑧卵白が完全に凝固し、スープが沸いてきたらスプーンやレードルなどを使い、卵白の蓋の真ん中に穴をあける。
この工程は対流した液体で卵白の蓋が崩れてしまわないように行う。

⑨あとはこのまま軽く対流が起きるぐらいの火加減で30分ほど火にかけてスープを澄ませる。

⑩綺麗にスープが澄んだらOK。
さらし布かキッチンペーパーを敷いたシノワ(目の細かいザル)で濾す。

⑪スープを濾す際は真ん中にあけた穴から丁寧にすくって濾す。
この時、卵白の蓋をめちゃくちゃに崩してしまうと濁りの原因になるので注意する。

⑫最後の方はすくいにくいので、卵白の蓋を網などで抑えるか、卵白の蓋を取り除いてしまってから濾すと良い。

⑬急冷したら完成。
油が多く浮いてしまう場合はキッチンペーパーに吸わせるか、いったん冷凍して上に浮いて固まった油を取り除くと良い。

冷製で提供する場合はジュレに仕立てるのがおすすめ。
1.2%ほどのゼラチンを溶かして冷やし固める。
お好みでスパイスや、エストラゴンなどのハーブの香りを移しても美味しい。

クラリフィカシオンに氷を使用する理由

クラリフィカシオンに氷を入れてよく冷やしておいた理由は、スープにクラリフィカシオンを加えたその場で卵白が完全に凝固してしまうのを防ぐためです。

卵白が凝固していく過程で不純物を取り込んでスープを澄ませてくれるので、なるべくスープとクラリフィカシオンに温度差をつけて凝固するまでの時間を延ばしてやるのが目的ですね。

『そんなら卵白が凝固しきらないようにスープの温度を落とせばええんちゃうんか…?』
と思った方、するどいですね。その通りです。
冷たい状態のスープに卵白を混ぜて、火にかける方法でも綺麗にクラリフィエすることができます。

ただ、この方法ではスープの温度を上げるまで混ぜながら様子を見る必要があり、時間もかかってしまうのでクラッシュアイスを使用して熱い状態のスープからクラリフィエを行う方が圧倒的に早くて楽ですね。

終わりに

いかがでしたか?
色々注意点もありましたが、工程自体はシンプルなので慣れれば誰でもすぐに作れるようになると思います。

今回の熱い液体にクラリフィカシオンを加えて澄ませる、というやり方は手早くものの数十分でできてしまうのが魅力ですね。
ただ、液体量が多すぎると綺麗に澄ませることが難しくなるので大体3ℓぐらいまでを目安に行うことをおすすめします。

もしまたわからない点があればコメント欄、もしくはTwitterで聞いていただければお答えします。
ぜひ気軽に聞いてください。

また、他にもコンソメのレシピを紹介していますので、ご興味のある方はそちらもぜひご覧ください。↓

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