クリアな出汁をとるためには



皆様こんにちは、こんばんは。
世間では年金の問題があれこれ騒がれていますね。
破綻確定なのに何食わぬ顔で今まで通り請求がくるのはどうしたものか。
でも日本から出ていく気もないのでまああきらめるしかないですね。
というただの愚痴でした。

さて本日は、
『クリアな出汁をとるためにはどうすればいいか』
というテーマでお話させていただきます。

クリアな出汁がとれるようになるとソースの味もクリアで上品になり、
ハイレベルな味わいを作り出すことができます。
レストランのように高級料理を作る人間にとっては必須の知識となると思いますので、
是非見ていってください。

素材の水分を調節する

さてクリアな出汁をとるにあたって一番大事な事は何か。
このタイトルがいきなり結論です。

『素材の水分を調節する』

これに尽きます。

実際これだけ覚えておけばそれなりに綺麗な出汁を作ることができます。
とはいえ、これで終わってしまってはなんじゃそれってなると思うので
詳しく解説していきます。

そもそもスープが濁る原因は?

スープが濁る原因は主に2つあります。

ひとつめは液体に溶けだしたタンパク質の凝固による濁り。

ふたつめは水分と油脂が混ざりあうことによる濁り。

です。
他にも原因となるものはあるのですが、
おおまかにこのふたつを理解しておけばとりあえずOKです。

ひとつめのタンパク質の凝固による濁りについてですが、
たとえばお肉と水を鍋に入れて加熱して出汁をとるとします。
そうすると、水の温度が上がることによってお肉が加熱されて
筋繊維が収縮し、タンパク質を含んだ水分がでてきます。
(俗に言う肉汁ですね。)
それが液中で油脂などと結合し灰汁となり浮遊します。

大きなものは上に浮かんでくるので灰汁取りという作業で除去できますが、
細かいものは液中に溶け込むように浮遊し続け、スープの濁りとなります。

注意
ちなみに、野菜から出る灰汁(カリウムやマグネシウムetc…)
に関しては濁りへの影響が小さいので今回は触れません。
あくまでも動物性食品の灰汁の話ということで。

そしてふたつめの水分と油脂がまざることによる濁りについてですが、
これはわかりやすいですね。
対流を起こしたり強い衝撃を与えると細かく散った油脂が水分の中に溶け込み、
『乳化』という状態になって白濁します。
とんこつスープのあの色も乳化の作用によるものですね。

今あげたこのふたつが主な濁りの原因です。

ではこの原因を取り除くためにはどうすればいいか?
ここからはそのことについて解説していきます。



タンパク質による濁りを抑える

ではまず原因ひとつめの
『タンパク質の凝固による濁り』
についてです。

繰り返しになりますが、
これは素材からタンパク質を含んだ水分が出て
それが液中で凝固して浮遊したものが原因です。

ならばそれを発生させないためにどうするか?
一番簡単な方法は、
煮出す前にタンパク質を凝固させて素材の水分を抜いてしまうということです。

方法としては低温(90℃以下)のオーブンでひたすら加熱するのが簡単です。
素材に焼き色を付ける出汁の場合はあまり温度にこだわらなくてもいいのですが、
焼き色をつけたくない場合はメイラード反応が起きにくい温度帯で加熱する必要があります。
私は70℃前後に設定して行うことが多いですね。

焼き色を付けない場合、一旦5分ほど茹でてしまうというのも手です。
熱湯で加熱することにより余分な水分が出て、タンパク質を凝固させるので
その茹でたものを綺麗に洗って出汁をとればかなり濁りを抑えられます。

ただ、あらかじめ加熱する欠点としては
その素材のもつ香りやクセといった特徴が抑えられてしまうということです。

灰汁というものは雑味ではあるのですが、
その雑味が独特の風味であったり複雑味を出してくれるので
そういった意味では必ずこれが正しいとは限りません。
用途によって考えて下処理を行うことが大事ですね。

ちなみにメイラード反応や出汁の理論については、
別記事でまとめておりますのでそちらをご覧ください。
↓     ↓     ↓

プロ向け『フォン・ド・ヴォライユ』前編

26/08/2017

油脂による濁りを抑える

次にふたつめの理由である、
『水分と油脂分が混ざることによる濁り』
についてです。

これはそのまんまシンプルな話ですが、
なるべく脂肪分を取り除いてから煮出して
火加減に気をつければ簡単に解決できます。

たとえば鶏ガラや牛スジなどには脂肪がかなりついており、
加熱によってかなりの脂が出汁に溶け込みます。
その脂が溶け出た状態で出汁を対流させてはすぐに濁ってしまいます。

まずはしっかり掃除をしたり下茹でしたり、
またはしっかり焼き切ってしまって脂肪分が入らないように気をつけましょう。

それでも完全に入れないようにするのは無理なので、
火加減をギリギリ沸いているぐらいに調節して対流を起こさないように気をつけましょう。

アミノ酸の抽出においては液体が100℃で沸いている必要はなく、
80℃ほどあればじゅうぶんに抽出できます。

これらに気をつけていれば油脂による濁りを防ぐことができますが、
ゆっくり静かに煮出していると問題になってくるのが
『灰汁が浮いてきづらい』
ということです。

灰汁は液体を沸かしている状態の方が
表面に浮いてきてくれるので除去しやすいです。

なので始めから最後まで沸かさずに加熱すると
灰汁が完全に除去できない恐れがあります。

その解決法としてはまず先程のタンパク質の所で言った通り、
灰汁を出さない工夫をすること。
そして、沸かすタイミングを考えることが大事です。

具体的な沸かすタイミングは、
まず一番初めに一瞬だけ沸かします。
ご存知の通り一番はじめは素材から灰汁がでるのでそれを除去するために行います。

その後は沸かさずにゆっくり煮出して濾します。
そしてその濾したものを、冷蔵庫か冷凍庫で一晩冷やします。
そうすると水分と油脂が分離するので浮いてきた油脂分を取り除きます。

取り除いたら鍋に戻して沸かしてしっかり灰汁を除去したらOKです。

非常に手間がかかりますがどうしても濁らせたくない場合は
これが最善策だと思います。

まあこれも仕上げたい状態によって必ずするのが正しいわけではないので
こんな方法もあるよーぐらいの気持ちで覚えといていただければと思います。

アミノ酸の抽出についてはウォーターバスを使って出汁をとった
この記事にわかりやすくまとめています。
↓     ↓     ↓

Anovaでブイヨンを作る【フォン・ブラン・ド・ヴォライユ】

25/01/2019

おわりに

本日は出汁についてのちょっとした考え方についての記事でした。
今回に関しては『出汁の濁り』という点だけにスポットを当ててお話しましたが、
出汁を抽出するときに考えなければいけないことは他にも山ほどあります。

それらは以下のさまざまな出汁に関する記事に書きなぐっております。
是非合わせてお読み下さい。

プロ向け『コンソメ・ド・ヴォライユ』

28/10/2017

プロ向け『フォン・ド・ヴォライユ』前編

26/08/2017

フランス料理のソースベース『フュメ・ド・ポワソン』

28/12/2018

【前編】『コンソメ・クリュスタッセ(甲殻類のコンソメ)』

17/05/2018

Anovaでブイヨンを作る【フォン・ブラン・ド・ヴォライユ】

25/01/2019

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