皆様こんにちは、こんばんは。
いい加減大人なので役所や病院に行くたびに
『こんなに待たせやがって!もうこのままここで死んでやる!お前ら後悔しろ!』
ってメンヘラ発動しそうになるのをやめたいですね。
さて本日は、
『冷たい状態のフォアグラを早く美味しく調理する方法』
についてお話していきます。
普段アラカルトなどでフォアグラを使用している方ならわかると思いますが、冷蔵庫、または冷凍庫から出したてのフォアグラをそのまま加熱すると中心温度が上がり切る前に表面に火が入りすぎて脂が抜けてちょっとパサついて仕上がりますよね。
ロスをなくすために冷凍のエスカロップ(1人前カットされたもの)を使用しているお店も多いとは思いますが、冷凍状態のフォアグラを綺麗に火入れするのは本当に難しいです。
なので今回はそんな悩みを解決できる火入れ方法をご紹介します。
ちなみに普通のフォアグラの火入れについては別記事でクッソ詳しく解説していますので、そちらもぜひ合わせてご覧ください。↓
では早速始めていきましょう。
火入れの7割は電子レンジで
冷たい状態のフォアグラを簡単に早く美味しく加熱するのに有効なのは
『火入れの7割を電子レンジでする』
という手段です。
今回フォアグラの中心温度は50~52℃ぐらいを目指しますが、フォアグラは50℃前後まで温度が上がると少しずつ脂が溶けて抜けていってしまいますので、なるべく手早く、かつ温度が上がりすぎないように気をつけながら火入れしなければいけません。
先程も書いたように冷たい状態のフォアグラをそのまま加熱すると、中心温度が上がり切る前に表面温度だけが上がりすぎて、脂が抜けすぎてパサついて感じてしまいます。
なので今回は電子レンジを使って、全体を脂が溶け出す手前の温度まで上げておいて、そこから一気に焼き上げて短時間で仕上げようという狙いです。
では実際にやってみましょう。
電子レンジを使用したフォアグラの火入れ
①好きな大きさにカットした冷たい状態のフォアグラをキッチンペーパーで包み、霧吹きなどでしっかりとペーパーを濡らす。
ペーパーをしっかり濡らしておかないと加熱にムラができやすいので気をつけよう。
②電子レンジで2~3秒ずつぐらいちょっとずつ位置や向きを変えながら加熱する。
(業務用の1200wぐらいのものなら2秒ずつでもすぐ火が入るので注意する)
以下の画像は失敗例。
両端に火が入りすぎて55℃ぐらいまで上がってしまっている。
フォアグラの色が変わらないぐらいまでの加熱にとどめよう。
③❷を繰り返して30℃前後ぐらいまで温度を上げる。
目安はペーパーにフォアグラの脂が染みていない状態かつ、フォアグラが少し柔らかくなった状態。
④キッチンペーパーを外したフォアグラに塩を振り、高温のフライパンで両面をしっかり焼き付ける。
出てくる脂はその都度キッチンペーパーでふき取る。
⑤キッチンペーパーを敷いたバットに移して温かいところで休ませる。
フォアグラはほとんど脂で熱伝導が良いため休ませる過程で結構中心温度が上がる。
また、電子レンジでの加熱は多少のムラがあるのでそれを均一に戻すためにも休ませる時間をとった方が綺麗に仕上がる。
小さめのカットであればこの時点でほぼ火入れは完了するはず。
今回は厚みがあったのでこのあとオーブンで加熱する。
↑焼き色を付けて3分ほど休ませた状態。
芯温の目安は50~52℃なのでまだもう少し火を入れる必要がある。
⑥あとは高温のオーブンで加熱→休ませる、の工程を繰り返して芯温50~52℃まで上げる。
電子レンジの時点でフォアグラが柔らかくなっていればサイズにもよるが、おそらくそれほどオーブンに入れなくてもすぐに達するはず。
⑦最後に高温のオーブンでさっと表面を温めて提供。
電子レンジでの加熱がうまくいくと冷蔵庫から出して約10分ほどでこれぐらいジューシーな仕上がりにできる。
おわりに
今回の内容はいかがだったでしょうか。
感覚を掴めば電子レンジとフライパンだけでかなり早く、そして綺麗に火入れできますのでかなりおすすめの方法です。
ただ注意しないと失敗もしやすいので以下にポイントをまとめておきます。
●ペーパーは必ずしっかり濡らしておく。
●電子レンジは長くても1回3秒ぐらいの加熱にとどめる。
思ったより温度が早く上がるのでしっかり状態をチェックしながらやること。
●フライパンやオーブンで加熱した後は予熱でかなり中心温度があがるので、
火の入れすぎには注意する。
●今回中心温度の目安を50~52℃にしているが、
鮮度のあまり良くないフォアグラだとしっかりめに火入れした方が食べやすい。
しっかり目に火を入れる際は56~58℃ぐらいを目安にすると良い。
以上のことを意識してやると失敗は少なくなるかなと思います。
あと電子レンジの火力についてですが、私は業務用の1200wでやっていますが実際は低めのワット数でやる方が失敗はしにくいです。
ただその分時間もかかるので忙しい飲食店の方には不向きかもしれませんね。
この方法は慣れれば温度計も使わずに感覚でさっと火入れできるようになりますのでぜひ一度お試しください。
フォアグラの火入れの最適解について考えた記事もアップしていますので、そちらも合わせてご覧ください。↓
ブロック肉やフォアグラなどの特殊な素材をお探しの方はこちらのサイトからどうぞ。↓
それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
Twitterで更新情報&お店で出している料理写真などなどを発信しておりますので是非フォローしてください。
宜しくお願い致します。
↓ ↓ ↓
Follow @laudelacuisine
こちらも是非ご覧ください。
【フランス料理のソースの盛り付け方】
◆人気記事◆
・美味しいカヌレ完全ガイド
・プロの為のフォン・ド・ヴォライユ講座
・なぜシェフなのに副業をするのか
コメントを残す