アルコールをベースにしたフランス料理のソースの基本



皆様こんにちは、こんばんは。
外でWIFIの接続画面を開いたとき急に、
『しょくぱんまん』という名前のWIFIが目に入って一人で笑いそうになりました。
日本は今日も平和です。

さて本日は、
『アルコールをベースにしたフランス料理のソースの基本』
についてやっていきます。

フランス料理のソースには
アルコールを煮詰めてフォン(出汁)を加えて作るレシピが多数存在します。
そういったソースはアルコールと出汁の種類を変えるだけで、
作り方はほとんど同じでも色々な味を作り出すことが可能です。

今回はアルコールベースのソースの作り方を
いろいろな派生レシピとともに紹介したいと思います。

フォンをベースにするのでご家庭で再現するのは難しいかもしれませんが、
いまはネットで結構しっかりしたプロの味っぽいフォンドヴォーなどもありますので
お祝い事などで本気を出す時にでもお試しください。

では早速はじめていきます。

目次

アルコールベースのソースの基本レシピ

  • 600g  アルコール
  • 100g  エシャロット
  • 30g~  バター
  • 300g  しっかり煮詰めたフォン
  • 適量    塩胡椒

※フォンは褐色のもの(フォンドヴォー、フォンドヴォライユなど)を使用する。

※バターはフランスの発酵バターを使用。
もちろん普通の物でも構わないが発酵バターの方がコクが出る。

使用するアルコール

今回はお肉料理に使うソースを作ります。
アルコールは主にワインとブランデーを使いますが、
何を使うかはどんな味のソースにするか、
どんなお肉に合わせるかによって変わりますので
下記を参考にしてお好みのレシピで作ってみてください。

※ここに載ってある一例以外でこんなん使って作れませんか?
などありましたらコメントかTwitterのDMで聞いてください。

赤ワイン600g

オーソドックスな赤ワインのソース(ソースヴァンルージュ)
を作りたいときにどうぞ。
複雑味のあるしっかりめのソースができますので、
牛肉や鴨、鹿などの赤身肉に合わせて。

赤ワイン500g+クレームドカシス100g

カシスリキュールで甘みを足した赤ワインのソースです。
味は上記の赤ワイン600gを使用したものと大差ありませんが、
甘みがしっかりついた食べやすいソースになります。
味がまとまりやすいのでフォンの味に自信がない時にもおすすめです。

赤ワイン400g+ポートワイン200g

甘みとコクのあるポートワインを加えたこちらも食べやすい味に仕上がります。
鴨や鹿、鳩などちょっとクセのあるお肉は甘みがある方が相性がよくなるので、
それらのお肉に合わせてみるといいでしょう。
本当にしっかり甘めにするなら赤ワインとポートワインの分量を逆にするのもアリです。

赤ワイン100g+マデラワイン500g

いわゆるソースマデラの作り方で、
芳醇な香りを持った非常に上品な仕上がりになります。
トリュフやシャンピニオンを加えても美味しいですね。
個人的には牛肉と合わせるのが美味しいと思います。
あ、ちなみに安物のわけわからんマデラは味が全然のらないのでおすすめしません。

白ワイン600g

しっかりと酸味が効いたさっぱりしたソースに仕上がります。
鶏や豚、霜降りの牛肉などと相性がいいですね。
逆に赤身肉との相性はイマイチです。

ブランデー600g

香り豊かでドライな味わいになります。
ただ個人的には少しバランスが悪く物足りないかなという感じの味です。
何か他の食材で風味付けしたりするにはいいですが、
私はあまりそのまま使いません。

ブランデー300g+ドライベルモット300g

個人的にブランデーを使う場合のベストレシピです。
ブランデーのコクと香り、そしてベルモットの程よい甘みと酸味、
そして香りの複雑さが混ざり合ってとてもいいバランスに仕上がります。
ベルモットはぜひノイリープラをお使いください。
どんなお肉にも合わせやすい味わいですが、
なかでも鴨、鳩、鶉の鳥類と合わせるのがお気に入りです。

ブランデー200g+ドライベルモット200g+白ワイン200g

上記のレシピよりもう少しさっぱりとさせたい場合はこちらのレシピで。
こちらもバランスがよく、
鶏や豚などともよく合う万能の組み合わせです。



アルコールベースのソースの作り方

①まずはエシャロットをみじん切りにする。
あとで濾す場合はある程度適当でいいが、
そのまま使用する場合は丁寧に細かく刻むこと。

②少量のサラダ油でじっくり弱火で炒める。
炒め終わりの目安は食べたときにシャキシャキ感がなく、
辛みではなくほんのり甘みを感じるぐらいまで。

③鍋にアルコールを注ぐ。
今回はブランデー300g+ドライベルモット300gのレシピで作る。

④ほぼ水分がなくなるまで煮詰める。
基本的にはツヤが出始めるぐらいまででいいのだが、
高級なマデラや赤ワインなどを使用して香りを活かしたい場合は、
1/4~1/5量ぐらいまでで止めてもいい。

⑤煮詰めたフォンを加える。
今回のフォンは下記リンクのレシピで作ったものを使用。↓

【前編】プロの為のフォン・ド・ヴォライユ講座

26/08/2017

【後編】プロの為のフォン・ド・ヴォライユ講座

30/08/2017

⑥一旦沸かして塩胡椒で味を調えたらバターを加えてモンテする。
バターの分量は今回は30gだが好みで調節する。

モンテとは?
ソースの仕上げに油脂を加えて乳化させることによって、
ソースにツヤと濃度、コクを与える技法。
今回はバターを使ったがオリーブオイルやピーナッツオイルなどを使う場合もある。

⑦このままシンプルに仕上げる場合はシノワ(目の細かいザル)でエシャロットを濾したら完成。
すぐに使わない場合は急冷して冷蔵庫で3~5日ほど保存可能。

もちろんエシャロットを濾さずにそのままでも、
滑らかさは失われるがまた違った美味しさがある。

今回は半量を濾してシンプルなソースに仕立てて、
残りの半量は濾さずににマスタードを加えてソースマスタードに仕立てた。

半量のソースを濾さずに、
・粒マスタード 40g
・ディジョンマスタード 5g
加えて黒胡椒をしっかりめに効かせたら完成。
ソースマスタードは豚肉や鳥類全般と相性が良い。
個人的には炭火焼きの香りと合わせるのがおすすめ。

ソースマスタードは何度も沸かしたりしていると風味が飛んでしまうので、
作ったらなるべく早く使い切ること。
逆にマスタードの酸味が余計だと思ったら、
一度しっかり沸かすとマスタードの酸がまろやかになる。



おわりに

本日はアルコールベースのソースの基本の作り方を紹介させていただきました。

もちろん他にも仕上げたい味によってさまざまな作り方がありますが、
基本的には上記の工程であとは使う食材を変えたり、
仕上げに何か風味付けの食材を加えるだけでいろいろなバリエーションができます。
手間はかかりますが美味しいソースを作りたいときはぜひお試しください。

今回はお肉のソースについてでしたが、
他にもお魚向けのソースのレシピも過去記事で紹介しています。
ぜひ下記リンクの記事も合わせてご覧ください。↓

フランス料理のソース『ソースヴァンブラン(白ワインのソース)』

07/03/2018

フランス料理のソース『ソースブールブラン』

07/10/2017

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