ソースドゥミグラスのレシピ



皆様こんにちは、こんばんは。
いつもここでクッソくだらん一言ネタみたいなのを言っているのですが、
思い付きで書いているのでいつかネタが被ってしまいそうです。
今のところ大丈夫でしょうか?

さて本日は、
『ソースドゥミグラスのレシピ』
をご紹介致します。

ソースドゥミグラスといえば知らない人はいないぐらい有名なソースですが、
今は缶詰やレトルトで美味しいものがたくさんあるので、
プロでも意外と作り方を知らないという方も多いと思います。

今回は前回の記事で作ったソースエスパニョールをベースに、
なるべく作りやすく、かつできるだけ本格的な味になるようにレシピを考えました。
まだ前回のソースエスパニョールの記事をご覧になっていない方はまずそちらからご覧ください。↓

ソースエスパニョールのレシピ

13/06/2020

ソースドゥミグラスとは

ソースドゥミグラスは、
ドゥミ(demi=半分)
グラス(glace=煮詰めた)
という意味の名前で、その名の通り、
ソースエスパニョールにワインなどを加えて半量ぐらいまでしっかり煮詰めた非常に濃厚なソースです。

今では洋食屋さんでしか見ることがなくなったこのソースドゥミグラスですが、
皆様もご存じの通り嫌いな人がいないんじゃないかというぐらいに万人受けする非常に美味しいソースです。

そんな美味しいソースドゥミグラスですが、その完成度の高さゆえに味が均一化してしまい、
料理に個性を出すことが難しくなったことと時代の流れから料理の簡素化が進んだことによってフランス料理界では作られなくなってしまいました。

ですがこのソースドゥミグラスはフランス料理のソースに関する技術をフルに使う、
非常に奥が深いものなのでフランス料理に携わる人間としては必ず覚えておきたいレシピのひとつです。
このソースを美味しく作れればフランス料理のソースの基本は身に付いていると思っていいでしょう。

今回のレシピについて

今回、ソースドゥミグラスとビーフシチューを作るのですが、
これらは分けて作るものではなくソースドゥミグラスを仕込んだ副産物としてお肉の煮込みが出来上がり、
それを使ってビーフシチューに仕立てるので、どちらかだけを作るというのは本来の作り方からはずれてしまいます。

本来の作り方は、ソースエスパニョールに赤ワイン、香味野菜、牛バラブロック、フォンドヴォライユなどを加えて煮込み、
肉が柔らかくなったら取り出して煮汁を濾し、濃度が出るまで煮詰めたらまずソースドゥミグラスの完成。
そしてそこに煮込んでおいた肉をカットして温めたらビーフシチューの完成。
という流れになります。

しかしこの本来の作り方ではまず先にソースエスパニョールが完成しないとお肉を煮込めないので時間効率が悪くなります。
その上、肉を取り出したりまた濾したり手間もかかってしまうので今回は、

ワインとフォンで肉だけを別で煮込む(ソースエスパニョールと同時進行、または前準備が可能)

煮込み終えたら肉だけは取り出しておき、煮汁はしっかり煮詰める

ソースエスパニョールも同時に煮詰める(先程の煮汁と分けて煮詰めることによって時間効率UP)

最後にソースエスパニョールと煮汁を合わせて味を調えて完成

こういった流れで作っていこうと思います。
なのでソースエスパニョールに引き続き、またちょっと簡略化したオリジナル製法となっておりますのでご了承ください。

ワイはクラシックしか認めへんで!
という方は辻調のホームページに詳しく載ってありますのでそちらを見て作っていただければいいかなと思います。(丸投げ)
では始めていきましょう。



YouTube動画

ソースドゥミグラスのレシピ

  • 1kg  ソースエスパニョール
  • 1kg  牛タン
  • 2個   エシャロット
  • 300g 赤ワイン
  • 300g マディラ酒
  • 300g フォンドヴォー
  • 30g~ バター

※肉は煮込みに適している部位だったら何でも良い。

※フォンドヴォーはフォンドヴォライユまたはブイヨン(フォンブラン)で代用可。
最悪なければ水を使っても良い。

※マディラ酒の代わりにポルト酒やマルサラ酒でも代用可。
それもなければ赤ワイン600gで作っても良い。

作り方

①まず肉を用意する。
肉は掃除済みのもので1kg前後を目安に用意すると良い。
今回は牛タンを使用しているが、煮込みに適している部位(バラ、ツラミ、テールなど)なら何でも良い。

②肉のカットは好きな大きさで構わないが、煮込むと縮むため仕上がりのイメージよりも大きめにカットする。
先程書いた通り、本来はブロックで煮込むのが一般的だが今回は先にカットしてしまって良い。理由は後述。

③肉に焼き色をつける。
フライパンをしっかり熱し、高温でなるべく短時間で焼き色をつけるのがポイント。
ここで時間をかけすぎてしまうと後からどれだけ丁寧に煮込んでも肉の表面が少しパサついて感じてしまう。
ちなみにバラ肉などで脂身がついている場合はあらかじめ除去しておくか、ここでしっかり脂を焼ききっておくと食べやすくなる。

④エシャロットをスライスし、サラダ油と少量のバター(分量外)で炒める。
全体に軽く色づき、しんなりしてきたらOK。
このエシャロットは風味付け用なのでそこまでしっかりと炒める必要はない。

⑤赤ワインとマディラ酒を注ぎ、沸かしてアルコールを飛ばす。
画像ではわかりやすく火をつけているがご家庭だと危ないので、必ずゆっくり弱火で行う。

⑥アルコールが飛んだらフォンドヴォーを加える。

⑦ここから先程焼いた肉を煮込んでいくのだが、今回はウォーターバスを使用する。
先ほど焼き色をつけた肉と➏の煮汁を真空パックして73℃で約24時間加熱する。

ウォーターバスが無くこのまま鍋で煮込む場合は、肉を入れて落し蓋をし、極々弱火で優しく煮込む。
あくまでも目安だが液体の温度が80℃以下を保つのがベスト。
鍋が入るオーブンがあれば、100℃ぐらいの低温に設定して、肉に串がスッと入るぐらいの固さまで根気強く煮込む。

⑧煮込み終えたら取り出して、すぐに使わない場合は急冷して冷蔵庫で保存する。
そのまま使う場合は急冷する必要はない。

⑨シノワで煮汁を濾し、肉は取り出して一旦おいておく。

⑩煮汁を鍋に入れて火にかけて沸かし、はじめに出てくる灰汁だけを取り除いたら、
そのまま1/5ぐらいの量になるまで煮詰める。
それと同時に別鍋でソースエスパニョールも火にかけて軽く煮詰めておく。

⑪煮汁が煮詰まったらソースエスパニョールと合わせる。

⑫あとはしっかり濃度が出るまで再度煮詰める。
ルウが入っていて鍋の材質や火加減によっては底が焦げてしまう恐れがあるので、
必ず時々様子を見て混ぜながら煮詰めること。
仕上がりの目安は約500ccぐらいだが、これはフォンの旨味の量によってベストな量は変わってくるのであくまでも目安。

⑬煮詰まったら味見をして、旨味がしっかりあるか確認する。
ちなみに濃度はスプーンの背についたソースを指でなぞると跡が残るぐらいの状態が望ましい。
煮詰め具合が決まったらソースをより滑らかな状態にするために一度シノワで濾す。
面倒ならばバーミックスで攪拌するか省略しても良い。

⑭最後に塩と黒胡椒で味を調えてしっかり冷やしておいたバターで繋ぐ。
ソースに旨味がしっかりあるので塩は控えめで良い。

⑮ソースドゥミグラスの完成。ウマー
すぐに使わない場合は急冷して冷蔵庫で保存し3日以内を目安に使い切る。
冷凍の際は真空パックにして香りが移らないように注意する。

⑯次にビーフシチューを仕上げていく。
先程煮込んだ肉を適量のソースドゥミグラスと一緒に小鍋に入れて温める。
ソースが煮詰まってしまったら水かブイヨンでのばす。
もし野菜を入れたい場合はこの時加えて一緒に温めるか、盛り付けの時に別で調理したものを添えるかすると良い。

⑰お肉がしっかり温まったらお皿に盛り付けて、お好みで生クリームをひとまわしして完成。
今回はお肉とソースだけで盛り付けてあるが、
パセリやシブレットを散らしたりバターライスやポテトを添えると美味しい。

ソースドゥミグラスの煮詰め具合について

先程の作り方の⑬の項目で旨味と濃度について書いてありますが、
この時の調整方法について書いておきます。

濃度はあるが旨味が足りない

水分が無くなるギリギリまで煮詰めたフォンドヴォー、又はフォンドヴォライユを加えて旨味を補強する。
無ければ顆粒のコンソメやトマトペーストを少し加えても良い。

しっかり旨味はあるが濃度が足りない

旨味が強くなりすぎてもいけないのでそれ以上煮詰めずに、
仕上げの段階で水溶きコーンスターチを加えて濃度を調節する。
もし、何回仕込んでも濃度が足りなくなるならばブラウンルウに使う強力粉の量を少し増やして作っても良い。

濃度も旨味も足りない

まだまだ煮詰め不足。さらに煮詰めよう。



なぜあらかじめ肉をカットして煮込むのか?

クラシックな作り方ではバラ肉を紐で縛って大きな塊のまま煮込み、仕上げの時にカットするという手順で作ります。
大きいブロックで火入れした方が煮込みの温度が高温になっても比較的パサつかずに火入れできるのですが、
今回はウォーターバスで完璧に煮込み温度をコントロールできるのでその必要はないと判断し先にカットしました。

大きな塊で煮込むととろとろに柔らかく煮こむまでに時間がかかるうえに、作業工程もかなり増えてしまいます。
なので作業を簡素化する意味でもこうする方が合理的だと思ったのも理由のひとつです。

ただ、ウォーターバスが無く鍋で煮込む場合はバラ肉やスネだとどうしても赤身部分のパサつきが気になるので、
できればタンかツラミを使うことをおすすめします。
とはいえしっかり根気強く煮込んであげたらよっぽど煮込みの状態を気にする方以外は問題ないレベルに仕上がるかなと…
ここは目指すクオリティにもよるので予算や器具、手間と相談してお好きな方法を選んでください。

おわりに

今回も長々とお付き合いいただきありがとうございます。
フォンドヴォーからソースエスパニョール、そして今回のソースドゥミグラスと、
全て通しでご覧いただいた方はあまりの文字の多さに疲弊してしまっていることでしょう。

ソースエスパニョールもソースドゥミグラスもある程度簡略化したレシピを考えましたが、
それでもフォンドヴォーから作ると大体20時間程かかってしまいます。
ただ冒頭でも書いた通り、本当に万人に愛される素晴らしい味わいのソースなので、
ここぞというときにでもぜひチャレンジしてみてください。

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