新卒料理人はまず自分のポジションを作ろうというお話



皆様こんにちは、こんばんは。
たまに真冬にアイスコーヒーを飲んでいると、
『寒くないの?』
と驚かれますが、その時は心の中で、
『じゃああんたは寒かったらコーラをホットで飲むんか?ああん?』
と理不尽にキレて気分を落ち着かせています。
同じ思考をお持ちの方、飲みにいきましょう。

さて本日は、
『新卒料理人はまず自分のポジションを作ろう』
というテーマでお話しさせていただきます。

きっとこのブログをご覧になっている方の中にも
専門学校を出て今年からレストランで働いている方や
転職して一から料理人の修業を始めた方もいらっしゃると思います。

私もそうだったのですが、
やはりレストランでの仕事というのは厳しくて
周りのスピードについていけなくてすぐに辞めたくなってしまうものです。
まあメンタルが強い方は『なにくそ!』と自分を奮い立たせるのでしょうが
私のような豆腐メンタルのへっぽこにはそれはできませんでした。

私の場合は新卒で入ったお店をすぐに辞めたり、
挫折を繰り返しながらも料理を続けることはできましたが、
中には新卒で入ったレストランで心を折られて
料理人をやめてしまう方も少なくありません。

なので今日は私が思う、
新卒料理人がレストランで上手く立ち回って生き抜くための思考、
行動について詳しくお話させていただきます。
いま仕事についていけてなくて悩んでいる方や、
この先就職が待っている学生の方の参考になれば幸いです。

では始めていきましょう。

目次

新卒料理人のはじめの仕事

新卒の料理人は当然ですが
入店してすぐに自分のポジションをもらうことはできません。

基本的には掃除や洗い物などの雑用や
計量、簡単な野菜の掃除、先輩の補助…
この辺りが主な仕事になると思います。

『料理をするためにレストランに入ったのになんでこんな雑用ばっか…』
と腐る気持ちにもなったりしますが、
実力社会の料理人の世界では仕方のないことです。
なので仕事内容に不満を抱くだけよりも、
どうすればこの仕事から抜け出せるのかを前向きに考えましょう。

私の経験上、このポジションがなくて黙々と雑用をやっている間に
周りの先輩たちがクッソ忙しそうにオーダーや仕込みを進めたりしている時間が
一番精神的につらいと思います。
『先輩たちはこんなに仕事をしているのに自分はなにもできていない…』
という思考になってしまうからです。
必要とされている感じが全くないと
不安になって逃げだしたくなってしまいますよね。

だからまずはこの状況を打破するために、
『自分はこのお店の歯車のひとつになっているんだ!』
という自信をつけて自分の居場所を作るところからはじめましょう。

自分のポジションを確立する

今回のタイトル通りですが新卒料理人の方はまず、
【自分のポジションを作る】
ということを目標に掲げてみましょう。

『そんな簡単にポジションなんかもらえるかい!』
といった反論が聞こえてきそうですが、
何もアントルメティエやポワソニエやソーシエとかの
ひとつの大きなセクションを任されろというわけではありません。

大きなセクションを担うのはそれはまだ何年か先の話で、
ここで狙うのは
【この仕事といえばこいつ!】
といった感じで先輩やシェフから認めてもらうことです。

その仕事ひとつひとつは本当に小さいものでも構いません。
魚のウロコと内臓の掃除や、ジャガイモとかアーティチョークなどの皮むきなど、
なんでもいいのです。
強いて言うなら、
【簡単だけど時間を取られてしまう先輩が嫌がる仕事】
を取りに行くのが望ましいです。
理由は後述します。

そしてその仕事ひとつひとつを任されるためには、
一度振られて教えてもらった仕事は
自分で勉強したり練習したりシェフや先輩にアドバイスしてもらったりして
なるべく早くできるようになっておきましょう。

これがまずは新卒料理人としての第一歩になると思います。
のんびりしすぎは駄目ですが焦るのもダメです。
確実に少しずつ技術をものにしていきましょう。

先輩が嫌がる仕事を取りに行こう

先程も書きましたが、
まず仕事を取りに行くなら
【簡単だけど時間を取られてしまう先輩が嫌がる仕事】
がおすすめです。

ポジションもっている先輩はたくさんの仕込みを抱えていて
同時進行で進めなくてはいけない仕込みもあったりする中で、
ただひたすらに自分の手と時間が取られる単純作業は
なるべく避けて効率よく進めたいと思っているはずです。

先程例に挙げた魚のウロコ取りなんかも、
もちろん大事な仕事で魚の身を傷つけないように注意して行う必要はありますが、
誰でもすぐにできるようになる作業だと思います。
ただ単純に面倒ですしその後のシンクの掃除もクッソ面倒な作業です。

だからこそ回してもらいやすい仕事なので、
こういった仕事は手が空いていたら率先して取りに行きましょう。



面倒な仕事を率先してやると目をかけてもらえる

先輩が嫌がる仕事を取りに行く一番の旨みはこれです。
『こいつはどんな仕事も前向きにやって真面目でいいやつだ!』
と先輩やシェフから思ってもらえたらこっちのものです。(暗黒微笑)

これは私の主観ですが、
入店から3か月ぐらいまでの印象でその後の周りの対応が変わる気がします。

その期間内に【真面目】と印象づけられれば、
その後も『こいつは真面目だから』という印象のままやっていけるので
仕事がやりやすくなります。
隙を見てサボりやすくもなります。(屑)

逆にその期間内に【物覚えの悪い奴】とか悪い印象を強く残してしまうと
その後もちょっと忘れ物をしただけで怒られたり、
何かあるたびに注意されたりする傾向にある気がします。
なんかやたらこの人ばっかり怒られてるな…
という人は大体このパターンだと思います。

なので、まず初めの3か月ぐらいを目安にしっかり真面目に
面倒な仕事を取りに行くということを意識してやっていきましょう。

面倒な仕事は次の大きな仕事に繋がる

面倒な仕事を取りに行くメリットはもうひとつあります。

また魚のウロコ取りを例に挙げて解説しますが、
魚のウロコ取りが自分の仕事になると
魚が届くと箱から出してウロコをとって内臓を抜いて水分をふき取って、
汚れたシンクを綺麗にして先輩にパスする…
といった流れができます。
この流れが完璧にできるようになると先輩の時間に余裕があるときに
魚の下ろし方や下処理を教えてもらえたりできます。

こうして小さな面倒な仕事が次の大きな仕事に繋がる、
ということはどんな仕事にも言えることなので
『こんな面倒な仕事とかただの雑用やんけ!』
と腐らないでしっかりこなして確実にステップアップしていきましょう。

あとはこれの繰り返しで自分のポジションができる

ここまでをまとめると、

まずは先輩が嫌がる単純な作業を率先して取りに行く

その作業を完璧にできるようになって
『この仕事はこいつの仕事』
と先輩やシェフに認めてもらう

その小さな自分の仕事を積み重ねて、
少しずつ確実に仕事を増やしていく

先輩やシェフから信頼してもらう

単純作業の先にある重要な作業も少しずつ教えてもらえるようになる

こんな感じの流れになりますね。

ここまでできていれば、
一日の中の自分のやるべき仕事や立ち振る舞いも確立されてくるので、
『今何していいかわからない…』
『先輩が忙しそうだから自分も忙しそうなふりしとこう…』
とか生産性の無い思考から切り離して仕事をすることができるようになると思います。

いてもいなくても問題ない雑用係ではなく、
自分がいないとみんなが困る雑用係を目指して頑張りましょう。
後者の雑用係はお店に欠かせない立派なポジションです。
まずはこのポジションをとって、
そこから次の目標ポジションを掲げて頑張っていきましょう。



おわりに

本日は新卒料理人の働き方について書いてみましたがいかがでしたか?

あくまでも私の経験に基づくもので、
絶対このやり方、考え方が正しいというわけではありませんが
概ねこの思考・行動をしておけば間違いはないかなと思っています。

まあ今はお店によっては、
新人でもどんどん仕事を回したりする所もあるかもしれませんが
与えてもらう仕事をこなすだけでは他の同期に置いていかれるので
その一歩先を目指すためにも自分で仕事を取りに行く意識は大切ですね。

この記事が新卒料理人の方の参考に少しでもなれば幸いです。

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