色々なトリュフの種類と特徴



皆様こんにちは、こんばんは。
トリュフのフランス語発音が難しすぎて現地でクッソ苦労した思い出があります。
うまく発音できる方いましたらぜひ教えてください。

さて本日は、
『色々なトリュフの種類と特徴』
をご紹介いたします。

一口にトリュフといっても多くの種類があり、
その種類によって香りも値段も大きく違います。

しかしレストランなどにいってもメニュー表には、
『トリュフ』としか書かれていないことも多く
トリュフにクッソ種類があることを知らない方も少なくないと思います。

なので今回は主にレストランで使われている
トリュフの特徴をざっくりとまとめてみました。

日常で役立つ情報ではありませんが、
知っていればレストランでドヤ顔できることもあるかもしれません。(適当)
なのでぜひ覚えていっていただければと思います。

では始めていきましょう。

目次

トリュフの解説動画

今回の情報はYouTube動画でも簡単にまとめてあります。
ぜひこちらもご覧ください。↓

トリュフとは何か?

トリュフは日本名で『西洋松露(セイヨウショウロ)』というキノコの一種です。

大きく分けると『黒トリュフ』『白トリュフ』の二種類に分類され、
その中でもまた細かく色々な種類が存在します。
現在食用として約60種類ほど見つかっているようですが、
レストラン向けに日本に輸入されてくるのは10種類弱ほどです。

その種類を学名ごとに解説したところで、
全くピンとこないと思うので今回は一般的にレストランで扱っている名前に沿って
4種類のトリュフについて解説いたします。



サマートリュフ

6~9月ぐらいにかけて出回るトリュフで、
ゴツゴツとした表面、そして断面は白っぽい色が特徴です。

トリュフといえば芳醇で妖艶な香りを思い浮かべるかもしれませんが、
こちらのサマートリュフはどちらかといえばマッシュルームに近いような、
土っぽい香りとナッツのような香りを持っています。

普通の黒トリュフよりも香気成分も少ないので、
加熱調理やソースなどへの加工にも向いてなく
基本的には料理に生のままスライスして食べられます。

値段はトリュフの中では比較的安価で、
キロ4~5万円ほどで購入することができます。

主な使い方
冷製パスタやサラダなどに豪快に削って使おう。
私はいつもマッシュルームを生で食べるようなイメージで使います。
例えばインゲン豆とマッシュルームのサラダのイメージで、
マッシュルームの代わりにサマートリュフを削ったりします。
とりあえず豪快に削ってわしわし食おうぜって感じです。

オータムトリュフ

11月あたりから12月にかけて出回るトリュフです。
サマーやウィンターに比べると少々値段も時期も半端なためか、
流通量が少なくオータムトリュフをあまり知らない方も多いのではないでしょうか。

この時期はオータムトリュフ以外にも、
ポルチーニ茸をはじめとする天然きのこが多く出回るので
そちらを使う方が多いように感じます。

値段はキロ8~10万円ほどでしょうか。
使い方はサマーと同じようにそのままスライスするのが一般的です。
香りに関してはサマーと比べるとよりミネラルを感じる土っぽい香りを強く感じます。
ちょうど鳥獣系のジビエも始まる時期なのでそのあたりと合わせるといいですね。

主な使い方
サマーと同様、そのまま料理にスライスして使いましょう。
土っぽいミネラル分を活かせる料理に使うのがいいかなと思います。

ウィンタートリュフ

12月から2月ごろまで出回るトリュフで、
黒トリュフといえばやはりこのウィンタートリュフです。

『ウィンタートリュフ』とひとくくりにしてありますが、
先程も述べた通りトリュフにはたくさんの品種があり、
同じ冬場に出回るトリュフの中でもそれぞれ特性が若干異なります。

今回は最も一般的な2品種を紹介致します。

メラノスポラム種
フランス・ペリゴール地方のものが有名で黒トリュフの中では最高級の品種。
非常に高貴な香りでそのまま生でも加熱してソースにしても美味しい。
ブリュマル種
メラノスポラム種よりも土や森の香りのニュアンスを強く持つ。
香りが飛びにくいのでコンソメやソースの香り付けに向いている。

値段はメラノスポラム種の方が少々高価ですが、
大体15~20万円ほどです。
日本に輸入されているウィンタートリュフの多くはメラノスポラム種だと思うので、
正直覚えていても役に立ちませんがまあこんなものもあるんだなぐらいの気持ちで。

主な使い方
料理の仕上げにスライスしたり細かく削ったりしてもいいし、
その芳醇な香りを活かしてソースに仕立てるのも良し。
ソース用に真空して冷凍しておくと年中使えるので便利ですね。

白トリュフ

10~12月ぐらいにかけて出回る最も高価なトリュフです。
イタリア・アルバ産のものが最高級とされており、
ニンニクにも似た鮮烈な香りを持っています。

他にもフランス、クロアチア産などもありますが、
生育条件が非常に難しいためごく一部の地域でしか採れません。

値段は年によって大きく変わりますが、
キロ60~80万円ほどします。
高い年だと100万円ぐらいまであがったりもします。

香りが揮発しやすいので加熱には向いていなく、
温かい料理にスライスして生のまま香りを楽しむのが一般的な食べ方です。

ちなみに白トリュフの中には、
ビアンケットトリュフという春先に出回る品種がありますが、
上記の本物の白トリュフとは全く値段も香りも違います。
興味がある方はぜひ両方お試しください。(破産必至)

主な使い方
香りを楽しむために温かい料理に生のままスライスして食べましょう。
バターやクリーム、卵などと好相性で、
現地アルバのレストランではココットに卵とベシャメルを入れて焼き、
仕上げに白トリュフを削った料理が食べられています。

トリュフの保存方法

トリュフは非常にデリケートで乾燥にも水分にも弱く、
保存方法を間違えるとすぐに傷んでしまいます。

よく聞く保存方法でお米の中に入れておくというのを
聞いたことがある方も多いと思います。

しかしこれはあくまで私の経験談ですが、
お米の中に入れておく方法は短期間(2~3日)の保存ならいいのですが、
1週間近く保存する場合には少々不向きかなと思っています。
その理由はお米に沈めておくとトリュフ自身の水分がかなりとられるので、
香りが損なわれると感じました。

香りと状態を保つにはある程度の湿度も必要なのです。
とはいえ水分が付いてしまってはそれはそれですぐ傷んでしまいます。

そこで私は色々考えた結果、
トリュフひとつひとつをペーパーで優しく包んでタッパーに入れ、
タッパーの底には湿度調節のための少量のお米を敷いておくという方法にたどり着きました。
これによってトリュフの周りを適度な湿度で保ち、
香りを損なわずにある程度保存することができました。

トリュフの保存に悩んでいる方はぜひお試しください。

最後にトリュフの保存に関してざっくりとまとめてみました。↓

トリュフの保存に関して注意すべき事

●トリュフは乾燥していても水分があってもダメ。
ほどほどの湿度を保って保存しよう。
●基本的に真空保存はあまりおすすめできない。
特に脱気タイプの真空機だと香りが吸われてしまう。
さらに真空によって袋の内部に水分がこもってしまうので傷みやすくなる。
もし理由があって真空する場合は多めのペーパーでぐるぐる巻きにしてあげると良い。
●土付きのトリュフは水をつけたブラシなどでしっかり洗い、
最後にボウルにためた水ですすぐ。
その後、ペーパーでぐるぐる巻きにして表面をしっかり乾かしたら、
改めてペーパーをまき直し、上記の方法でタッパーに入れて保存する。
●先程真空保存は向かないといったが、
ソース用に冷凍保存する場合はペーパーなどを使わずにそのまま真空して冷凍するのがおすすめ。
香りを損なわずに長期間保存することができる。



おわりに

今回はトリュフについてのお話でした。
少々マニアックな話になってしまったので、
退屈させてしまったかもしれません。すみません。

何度も書いている通りトリュフは他にもクッソ多くの種類があります。
一般的には今回紹介しているものを覚えておけば
全く問題ありませんがもし他の種類について聞きたいことがあれば
ぜひTwitterのDMなどでどうぞ。
とはいえそこまで私も詳しいわけではありませんが…

最後に豆知識をひとつたれ流すと、
中国産のクッソ安いトリュフは『イボセイヨウショウロ』という
トリュフの近縁種でトリュフとはまたちょっと違ったものなのです。
クッソ安いのも納得ですね。

最後にトリュフを使ったレシピの記事を紹介しておきます。↓

フランス料理のソース『ソースペリグー』

02/12/2019

プロ向けレシピ『黒トリュフのアイスクリーム』

08/12/2018

それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
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