桃のコンポートのレシピ【桃が黒くなる原因と対処法について】



皆様こんにちは、こんばんは。
次の正月はタイに行きたいと思っているのでおすすめの場所があれば教えてください。
一応もう一回言っておきます。タイにいきたい。

さて本日は、
【桃のコンポートのレシピ】

【桃が黒く変色する原因とその対処法】
についてやっていきます。

桃は美味しいのですが、ちょっと気を抜くと黒くなっていたり熟れすぎていたり
なかなか手のかかる子ですよね。
今回はまず桃が変色する理由とその対処法を紹介し、
その後その方法を踏まえたうえで美味しく食べられるコンポートのやり方を紹介します。
コンポートにしておくとしばらくの間、大きく味を落とすことなく保存ができますし、
甘さの少ない桃にあたっても比較的美味しく食べられるので、
個人的にはそのまま生で食べるよりもおすすめです。

では早速始めていきましょう。

目次

桃が黒く変色する理由と対処法

桃をはじめ、アボカドやリンゴなどもカットしてしばらく置いておくと、
黒っぽく変色してきます。
これは『ポリフェノールオキシターゼ』という酵素が原因で、
この酵素の働きによって空気中の酸素とポリフェノールが結びつき変色します。

変色を防ぐ方法として、
『レモン果汁などに浸ける』というのが一般的によく使われる手法かと思います。
これは空気中の酸素がポリフェノールオキシターゼよりもビタミンCと先に結合することで、
変色を遅らせてくれます。
しかし、あくまでも遅らせてくれるだけで長時間置いておくと少しずつ色がくすんできてしまうので
長期間の保存には向きません。

なので今回はそのポリフェノールオキシターゼに熱を加えて酵素の働きを失活させ、
長期間の保存にも耐えられるようにします。

とはいえ熱を加えすぎると桃のフレッシュなジューシーさが失われてしまいますので、
温度には気をつけなければいけません。
ポリフェノールオキシターゼを完全に失活させるには85~90℃ほどで、
しっかり加熱する必要があるみたいですがこれでは桃のフレッシュさは失われてしまいます。

ただ一応70℃超えるとかなり働きが弱まるみたいなので、
今回は75℃のウォーターバスで加熱しようと思います。
いくつかのパターンで試作したところフレッシュさを残し、変色を最大限防ぐ最適温度が
この75℃だと私は思いました。

次に桃は必ず皮付きのまま加熱します。
これは桃の皮に多く含まれているポリフェノールの一種である『アントシアニン』
を抽出するのが目的です。
このアントシアニンはブルーベリーやビーツなどにも多く含まれている赤い色素で、
この色素はビタミンCと結合すると非常に鮮やかな色になります。

このアントシアニンの鮮やかな色で、
わずかに活動しているポリフェノールオキシターゼによる変色をマスキングしてしまおうという狙いです。

さて、長々と小難しい話をたれ流しましたが今回のポイントはこんな感じです。
それでは実際に作り方を紹介していきましょう。

桃のコンポートのレシピ

  • 1個    白桃
  • 125g  水
  • 45g   グラニュー糖
  • 3g    クエン酸
  • 1本    ベルベーヌ
  • 5g    フランボワーズピュレ

※今回は真空パックをしてウォーターバスで加熱することを前提としたレシピなので、
コンポート液が非常に少ないが、もし鍋で作る場合は桃がしっかり浸るまでコンポート液を増やして作ると良い。 

※ベルベーヌはドライのものでも構わない。
手に入らなければバニラや生姜のスライスなどに置き換えても美味しい。

※クエン酸がなければレモン汁で代用可。
レモン汁を使う場合は一個分が目安。

桃のコンポートの作り方

①まずコンポート液を作る。
桃以外の全ての材料を鍋に入れてひと煮たちさせてグラニュー糖をしっかり溶かしておく。
今回フランボワーズピュレを入れているのはより鮮やかな色に仕上げるため。
無ければ入れなくても問題ない。

②コンポート液が出来たら桃をカットする。
桃は皮付きのまま使うのであらかじめしっかり産毛を洗い落としておく。

③中心に入っている溝に沿ってナイフをぐるりと一周入れて、
かるくひねり2つに割る。

④スプーンなどを使って種を取る。
もし固ければナイフで軽く切り目を入れると良い。

⑤桃はカットしたら変色しないようにすぐにコンポート液と一緒に真空パックする。
コンポート液は熱いままで問題ないが真空時に吹きこぼれないように注意。

⑥75℃に設定したウォーターバスで加熱する。
加熱時間は桃の個体差にもよるし、好みの固さにもよるので一概には言えないが、
しっかり熟れているもので約12~15分。
固めのもので20~25分ぐらいが目安。

⑦好みの固さになったら氷水におとして急冷する。

⑧一日冷蔵庫で寝かせたら完成。
皮は手ですぐに剥けるので剥いて食べやすい形にカットする。

余ったコンポート液をジュレにする

余ったコンポートの液には桃やベルベーヌの香りが出ていてとても美味しいので、
これを捨てるのはもったいない!ということでジュレに仕立てていきます。

①まずコンポート液をシノワ(目の細かいザル)で濾す。
濁りが気になる場合はキッチンペーパーやさらし布で濾しても良い。

②コンポート液を鍋で60℃ぐらいまで温めて総量の1.2%のゼラチンを加える。
今回のコンポート液は150gだったので1.8gのゼラチンを添加。
ゼラチンはふやかす必要の無い新田ゼラチン21を使用。

③急冷し、冷蔵庫で冷やし固めたら完成。
桃のコンポートに添えたりムースやバヴァロワと重ねてヴェリーヌなどにしても綺麗で美味しい。

おわりに

前置きがクッソ長くなってしまいましたが、
最後までお読みいただいてありがとうございます。

この方法で火を入れた桃はコンポート液にしっかり浸けて冷蔵庫で保存しておけば、
一週間以上変化なく美味しく召し上がっていただけるので、
個人的にはフレッシュそのままよりもおすすめです。

コンポート液のジュレと合わせてアイスクリームなどを添えると
それだけで立派なデザートになりますし、
変色もしにくいので水分をしっかり切ってケーキなどにも使いやすいです。
ぜひ一度お試しください。

それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
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