水のみで煮出すソースアメリケーヌのレシピと作り方

皆様こんにちは、こんばんは。
最近お仕事でチュロスを作っています。
研究のためにひとりディズニーをするか一瞬悩みましたが、すぐに正気に戻って止めました。

さて本日は、
『ソースアメリケーヌのレシピと作り方』
をご紹介します。

ソースアメリケーヌは直訳すると「アメリカ風のソース」という意味で、アメリカ帰りのシェフが作った「オマール海老の煮込みのアメリカ風」という料理が元となったソースです。
今現在においては、オマール海老の頭とフュメドポワソン、トマト、香味野菜などを使って作るのが一般的ですね。

今回はそのソースアメリケーヌを、オマール海老ではなく普通のバナメイエビに置き換えた、プロアマ問わず誰でも作りやすいレシピで紹介させていただきます。
煮出すのもフュメドポワソンではなく水を使用するので、ご家庭でも真似できると思いますし、プロの方はフュメドポワソンやフォンブランなどを使用し、お好みの味にアレンジしていただけたらと思います。

では早速始めていきましょう。

ソースアメリケーヌのレシピ

  • 12匹分 バナメイエビの頭と殻
  • 1片   ニンニク
  • 30g  玉葱
  • 15g  人参
  • 15g  セロリ
  • 2個   マッシュルーム
  • 2本   タイム
  • 20g  ブランデー
  • 20g  白ワイン
  • 20g  トマトペースト
  • 適量   水
  • 10g  バター
  • 適量   コーンスターチ

作り方

①バナメイエビは先によく水洗いした後、頭と殻を取ってザルで水を切っておく。
ニンニクは半割にし、残りの香味野菜は全て繊維を断つように薄くスライスしておく。

②鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて火にかける。
軽くニンニクの香りを出したら海老の頭と殻を入れて炒める。

③炒める際は弱火で余分な水分を飛ばすようにじっくり炒める。
また、この時点で頭を潰すと、殻の水分が飛ぶ前にミソが焼き付いてしまうため、頭を潰さずに優しく混ぜながら水分を飛ばす。

④殻の水分が少なくなってくると鍋底に焼き色が付いてくるので、適宜木べらなどでこそげ落とす。

⑤殻の水分がしっかり飛ぶと鍋底を木べらでこそいでも焼き色が落ちなくなってくるので、そうなったら香味野菜と塩ひとつまみを加えて全体を混ぜる。
香味野菜から水分が出てくるので、その水分を使って鍋底の焼き色をこそぐ。

⑥香味野菜を入れたら海老の頭を軽く潰してより水分を飛ばしやすくしておく。
また全体の水分が飛ぶまで、適宜焼き色をこそげ落としながら弱火で炒めていく。

⑦香味野菜も殻も水分がほぼ無くなると、また鍋底にこそげ落とせない焼き色が付いてくるので、そうなったらブランデーと白ワインを加えてデグラッセする。

デグラッセとは?
フライパンなどに焼き付いたうま味を水やワインなどの液体を使ってこそげ落とし、ソースに溶かし込む技法。

⑧加えたブランデーと白ワインは水分が無くなるまでしっかり煮詰める。

⑨アルコール類の水分が煮詰まったら水とトマトペーストを加える。
後ほど煮詰めるので、素材全てが浸れば水の量は適当でOK。

⑩一旦しっかり沸かし、灰汁を浮かせて取り除く。
沸騰しないうちから灰汁を取ろうとしてもうまく取れないので、沸くまでは触らずに待つ。

⑪灰汁を取ったら弱火で30~40分ほど煮出す。
はじめにちゃんと灰汁を取っておけば、その後は基本的に取る必要はない。

⑫充分旨味と香りが出たらシノワ(目の細かいザル)で濾す。
その際、海老の頭と殻をしっかり潰して水分を絞り切るようにする。

⑬濾したらお好みの濃度まで煮詰める。
参考までに今回の分量で水のみで煮出した場合、大体150mlほどまで煮詰めてある。

⑭煮詰まったらバターでモンテし、塩で味を調える。

モンテとは?
ソースの仕上げに油脂を加えて乳化させることによってソースにツヤと濃度、コクを与える技法。
今回はバターを使ったがオリーブオイルやピーナッツオイルなどを使う場合もある。

⑮必要に応じて水溶きコーンスターチで濃度を調節する。

⑯完成。海老のソテーや白身魚などに合わせてどうぞ。

おわりに

今回はソースアメリケーヌを紹介させていただきました。
過去に色々なソースを紹介していましたが、「ソースアメリケーヌやってなくね?」と不意に気付いたので今更ですがやりました。

今回のレシピは特別なフォンなどを使用せずに作ることができるので比較的作りやすく、かつ分かりやすく美味しいソースなので何かと使いやすいと思います。

作る際のポイントは作り方のところでも度々触れたとおり、「海老の頭と殻の水分をしっかり飛ばす」これに尽きます。
水分の飛ばし方が足りないと臭みが出たり、香りが出なかったりするので、そこだけちゃんと押さえておきましょう。

また、焼き色を付けようと強火で炒める必要も一切ありません。
特に今回のように小さい海老を使う場合は強火で炒めるとどうしても焦げやすくなってしまい、ソースに余計な匂いが出てしまいます。
弱火でも水分をちゃんと飛ばしてやればソースに香ばしさは出ますので、火加減には注意して作ってください。

他にも色々なソースのレシピを紹介していますので、ご興味がありましたらそちらも合わせてご覧ください。↓

ソースショロンのレシピ

15/10/2020

フランス料理のソース『ソースペリグー』

02/12/2019

それでは本日もお読みいただきありがとうございました。
X(Twitter)で更新情報&お店で出している料理写真などなどを発信しておりますので是非フォローしてください。
宜しくお願い致します。
↓   ↓   ↓

YouTubeでフランス料理の技術動画を投稿しています。
こちらも是非ご覧ください。
【フランス料理のソースの盛り付け方】
◆人気記事◆
美味しいカヌレ完全ガイド
プロの為のフォン・ド・ヴォライユ講座
なぜシェフなのに副業をするのか