現役フレンチシェフの私がブログを始めた理由と始めてみて思ったこと【新しい料理人の生き方】



皆様こんにちは、こんばんは。
ボンジュールございます。

忙しい時期真っ盛りですが体調は大丈夫ですか?
ちなみに私は大丈夫ではありません。
病弱気取りなので今日も死んだ顔で暮らしています。

さて今日は、
私がブログを始めた理由について語らせていただこうと思います。

労働時間が長くてブラックな飲食業。
私はそのシステムをなんとかしたいと思い、
厨房の外の世界にも目を向けることにしました。

そしてブログやYouTubeなどを運営する側に興味を持ち、
こうして記事を書かせていただいています。

若手もベテランの方も、これを読んで

『料理人の生き方は人それぞれなんだ!』

『世の中にはこんなタイプのシェフもいるのか。』

と思っていただければ幸いです。

目次

料理人という世界

料理人という世界はとても閉鎖的な世界です。

若手の料理人やソムリエで勉強会などを開いて
コミュニケーションをとり、情報交換などをしていますが、
本当にその同じ世界の一部の人たちと絡むだけになります。

もちろんいろいろなお客様とお話したりして、
情報を得ることもありますが結局は
『客』と『仕事』
の関係性。
対等であるべきだと私は考えていますが
世間はまだまだそうさせてくれません。

そして色々見聞を広めようにも、
時間が無い。
そして
お金が無い。

結局、仕事をして休みは寝て過ごして、
たまにする勉強会や食べ歩きで
『自分は頑張って修業しているんだ』
という思い込みにとらわれて年を食っていくだけです。

私はそこまで死に物狂いでやってきたタイプではありませんが、
やはり10年もやっているとこの空気が耐えれなくなってきます。

そして色々な事を考えているうちに
ふと思ったのです。

料理人は一人前になるために技術、知識、流行り、感性などなど気の遠くなるほどの
多くのインプットが必要である。
しかしそのインプットの量に対して、アウトプットできる場が皿の上だけ、
というのはあまりにも割に合わないのではないか。

と。
そして私は外の世界に目を向ける決意をしました。


アウトプットを開始する

そうと決まれば行動開始です。

ブログを立ち上げ、Twitterアカウントを開設し、
YouTubeのためのGoogleアカウントも取得しました。

そしてアウトプットし始めると、
今まで見えてこなかったものも見えてくるようになります。

ざっと羅列すると

  • 世間の人がもとめる料理と自分の理想とのギャップ
  • 自分が当たり前だと思っている知識には価値がある
  • アウトプットすることで気付くプレゼン能力の低さと文章力の無さ
  • アウトプットするための復習によって自分の知識がリライトされる

などなど、自分の長所と短所に気づくことができました。

そして厨房にこもってうんうん唸ってメニューを考えていた頃よりも
頭が柔らかくなるのを実感でき、心に余裕も生まれました。

それだけでも自分にとって広告料よりも大きな価値があります。

なのでアウトプットすることによって私が学んだことは、

料理人は閉鎖的になりがちだが、
厨房にこもって料理だけをしていれば生きていける時代は終わった。

ということです。

死んでもいいから自分の腕一本で生きていってやる!

といった男気溢れる方はそれで構いませんが、
それ以外の方は

自分の腕+何か自分の特別な武器

を持ち、常にこの先どうすれば生き残れるのか、
を模索する必要があると私は考えています。

料理人の未来、そしてこれから料理人になる人へ

ネットの世界で様々な人と交流し、
料理人という立場で色んなお話をさせていただくうちに
半端な料理人は淘汰されやすい世の中になったなと私は思いました。

あらゆるレシピや情報がネット上に出回り、
家庭用調理機器もプロ顔負けのクオリティを出せるものが
多くなってきました。

なので考えなしに本や教えてもらったことをなぞるだけでは、
ちょっと考えている一般人に負けてしまいます。

料理しかやってこなかったのに、
その料理で負けてしまっては存在している価値がないですよね。

その中で私はこの荒波の中を生き抜くための
自分のスタイルを確立しようとあがき始めました。

私の料理人としてのスタイル

まず私は自分の持っているあらゆるレシピを公開、
そして聞かれれば事細かに教えることを始めました。

他人に教えることによって同じ条件での競争がはじまり、
レベルアップにつながると考えたからです。

ブログでレシピを載せまくるのもこれがひとつの理由です。

レシピや作り方を公開するだけで自分の味に並ばれるようでは
所詮その程度の技術だということですからね。

色々な観点から正解の料理を導く

次に私の料理のスタイルとして、
味以外の面での正解を、言葉で説明できるようにする。
というものがあります。

味が美味しいからこの料理は正解!
というのは自分の主観でしかありません。

なので私は科学的に美味しい理由を探し始めたのです。

この温度にした理由、この食材を組み合わせた理由、
この工程をこのタイミングでする理由など
全ての事にしっかりと理由付けをしました。

それは調理面だけでなく、栄養面においてもです。

栄養学的に相性の悪い食べ合わせは、
考え方によっては不正解の料理といわれてしまうので
それはなるべく避けるように考えました。

これらを行うことによって、
人に物事を伝える時の説得力が増し、
自分が正解であるとアピールしやすくなりました。

これはブログ等でアウトプットするときにも、
きっと人の心を動かしやすいと私は考えています。

これはあくまでも私の例

以上に書き記したものはあくまでも私のスタイルです。

繰り返しになりますが、
大事なのは自分が生き残るためにどうしていくのが正しいかを
常に考えることだと思います。

なので今現在まだキャリアの浅い料理人、または学生の人は
目の前の仕事に追われるだけでなく、
これからどうするかを考えながら仕事をするようにしてください。

そうすればおのずと自分が働きたい場所や将来やりたいことが
見えてくると思いますので。


まとめ

まあ長々と自分語りをさせていただきましたが、
結局わたしがブログを始めた理由は

外の世界に目を向けたかった

本当にシンプルにこれですね。

そのおかげで上記のような色々な考えが身に付いたので、
この決断は正しかったと胸を張って言えます。

ただ、ひとつ勘違いしないでもらいたいのが
あくまでも技術を磨くことが一番大事で、
その上で視野を広げて色々考えないといけない。

ということ。

ある程度技術が無いと、
発信もできないし、説得力もないし、店での立場も無くなるので。笑

そこに気をつけつつ、空き時間に色んな勉強をしてみましょう。

まとめのまとめ

  • ベースとなる技術が一番大事。しっかり学ぼう。
  • でもそれだけじゃダメ。広く世界を見るべし。
  • 自分の武器、長所を見つけてそこで戦う。
  • 手っ取り早く外の世界と繋がるならブログやSNSがおすすめ。

ってなお話でした。

先日書いた料理人のお金の話と、
料理人の向き不向きについての記事も合わせてどうぞ。
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